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人になっちゃうのかなと、そういう気がします。

だから、自然を愛する心イコール子供たちの精神浄化につながっていくような、そんな気がします。そういう思いでいつも暮らしていますが、少しでも役に立てればと思います。海へ入れば、これからどんどんごみを拾っていきたいと思います。ありがとうございました。

瀬田 さっき何度かお話がありましたけれども、例えばコカコーラの赤いスチール缶というのは、アメリカのワシントンの環境教育の中に、ごみの寿命、ごみは一体どのくらいで腐食するのかというのがあるんです。スチール缶は100年、アルミ缶は200〜500年、プラスチックは450年、ガラスの瓶はわからない。紙ですと2〜4週間だとか、毛糸の靴下なら1年ということで、今サブローさんがおっしゃったように、ビニールの袋ならば200年、300年というふうに言われます。そういうのが海に、あるいは山に散らかってしまっているんですね。

今度は、「山と渓谷」の編集長をしていらっしゃる神長さん、お願いします。アルピニストで山にも登られるし、みずからの経験、ジャーナリストとしての立場から、あるいはもっと言えば地球というところからいろいろなお話をお聞きしたいと思います。

 

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神長幹雄氏

雑誌「山と渓谷」編集長 1950年東京都生まれ。75年信州大学人文学部経済学科卒業。94年より現職。カナディアン・ロッキー、ネパール・エベレスト街道等を取材。またプライベートでも東南アジアを中心に世界50ヵ国以上を旅行する。豊富な体験から世界のアウトドアにおけるマナーについて語る。

 

神長 サブローさんの後で、随分やりづらいなと思っています。本当は、前へ出て一緒になって掛け合い漫才をできたら、海の方と山の方とで本当はいいんじゃないかと思うんですけれども、私はとてもそういう能力がありませんので、ちょっと固い話になっちゃいますけれども、山へ登っている人の1人として、少しお話しさせていただきたいと思います。

以前、今からもう30年くらい前になりますが、私は旅行が好きで、それとともに山が好きで山へ登り出しまして、その当時、1軒の山小屋で何シーズンかアルバイトをしていたことがあります。そのときに、私もたばこを吸っていて、たばこのポイ捨てというのがそんなに気にならずにポイとやっていたんですけれども、山の周りは結局自分たちで掃除しますから、集めて、燃えるごみは燃やしていたんです。ただ、今思うと、本当に恥ずかしいことだなと思うんですけれども、山小屋で集めた缶はその当時はまだヘリコプターで荷下げというのをやっていませんでした。どうするかというと、登山者の目につかないようなところに穴を掘って埋めるか、もしくは谷筋へ運んでいって谷筋へ捨てるというようなことをやっていたんです。今だったら、もう本当に考えられないようなことなんですけれども、その当時は割とそれがそんなに違和感なくできたような気がします。

それは一体どういうことかというと、山というものに対して我々がどういう意識を持っていたか。山に登らせてもらうという意識ではなく

 

 

 

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