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まとめたレッドデータブックを作成しており2000年には完成する予定です。その中で実はある人から、和歌山でなければない植物などを絶やさないように大事にすべきだというご提言もありました。担当課に言うと、それはもう数限りなくありますということだったのですが、ぜひ和歌山で特徴のあるものを探してくれと言ったら2つ見つかりました。

1つは、キイシモツケという植物、もう1つはキノクニスズカケです。これが「紀伊」とか「紀の国」という名のついた植物で、しかも今絶滅の危機の種類に入っているということで、これは環境庁で指摘をされているようです。こんな機会に、そういうふうな特徴のある植物を大事にしていこうということで、私も、現場へ見に行きたいという話をしたら、そういう人が多いからすぐ取ってしまうんだとしかられました。それで、絵だけで見ておこうということで、実は写真を持っているんです。

司会 なるほどね、大事にしたいというのと、見に行ってしまうというのは、難しいところがありますね。

西口 ええ。だから、後で触れたいと思うけれども、それを根こそぎ持っていったりとか、そういうことになってしまうと終わりになってしまうんです。その辺が大変難しいところです。

 

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司会 先ほども姉崎先生のお話の中で、川は子供たちの遊び場じゃない。川の生き物たちのところにお邪魔するんだというお話がありましたよね。ああいう気持ちって大切なんですね。

姉崎 写真家として自然を撮っていますと、特に私の場合、植物写真という分野になるんですが、先ほどキイシモツケとかキノクニスズカケというお話がありましたけれども、そうした珍しいものだけではなくて、特定の非常にきれいな花が咲く植物がありますね。今、自然を写す写真がブームなんです。ですから、そうしたものを撮りたいがために、もう周りのことは全く気にかけずに、もうその植物だけ残ればいいような感覚で、その環境を壊してしまうような自然愛好家というか、自然に踏み込む人が意外に多いんです。

人間というのは、1人の力はそれだけで非常に大きなインパクトがあるので、まずそれを理解していきませんと、ガリバーと普通の人間みたいな、そんな感覚が自然と人間の感覚にはあるわけですから。

司会 そうですよね。自然と親しみたい、自然に浸りたいと思って、かえって自然を傷めたりすることがありますね。先ほど知事からもそういうようなお話が少し出かけましたけれども、そういう困ったことというのは起きてきていますか。自然の中に出かける方が多くなり、そんな中でいろいろと問題点も出てきているかと思うんですけれども。

西口 そうですね。このネイチャーフレンドシップクラブをつくろうというきっかけになったいきさつの中に、実は野鳥を見る会というのがありまして、私もその会の方と一緒になって野鳥を見に行って、あとそのグループの方々と一緒にお話をした中で、美里町の自然を愛する会のメンバーの方だったと思いますが、今美里町は悲鳴を上げているんだという提言がありまして、その後、メッセージをいただきました。あそこは非常に川がきれいですし、自然も豊か

 

 

 

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