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西口 今のスライドにも出ていましたように、和歌山は自然に大変恵まれています。私、他府県でいろいろな会合のときに和歌山の紹介する例えに佐藤春夫さんの詩の「空青し、山青し、海青し、日は輝かに南国の」云々という「望郷五月歌」を引用しています。それに代表されるように和歌山はまさに空も青いし、山も青いし、海も青いという、それでもう和歌山を表現できていると思います。

林野率が大体77%、リアス式の海岸が640キロぐらいあるわけですから、まさに日本の中でも海岸線も長いから海もきれいですし、森林も非常に豊かであるし、川もきれいであるしということで、そのことが和歌山県の1つの売り物ではないかと思っているんです。

例えば、ここ高野山、それから龍神、熊野等は宗教文化のメッカでもありますし、同時に紀の川沿線には根来寺とか粉河寺とか、今、歴史街道の1つにしようということで盛んにやっております。それから海岸線にまいりますと片男波──和歌浦にありますね。それから、白崎海岸などと言って石灰岩の非常にきれいな海岸線、そこにスキューバダイビングの教室が今できております。串本へ行くと海中公園などがあって、それこそ魚類やサンゴが十分観察できる場があります。

そういうふうに数え上げていきますと、もう和歌山県全体がそういうふうな自然と非常に親しみの持てる地域ということになると思います。

司会 そうですね。山があって海があって川がある。そして、もちろんそれにまつわる生き物もある。本当にすばらしいですよね。

姉崎先生、いかがですか。よく和歌山のこともご存じかと思いますけれども。

姉崎 写真家としては、どうしても自然環境の豊かなところというか、変化に恵まれているところに行ってしまいますが、自然教室を長年開催していたという経過もありますけれども、この間ちょっと数えてみたら――僕は日本全国を歩いていますが、和歌山県は50〜60回、最低でも10日、長いと1ヵ月近く和歌山県の中で滞在して撮影に入っています。こんなに多く訪れている県というのはないんですよ。それは、自然の変化が非常に多様で自然の質に高いところがたくさんあるということだと思うんです。

ですから、長くいて飽きない、楽しめる、学べば学ぶほど豊かな気持ちになると思っております。

司会 知事、うれしいですよね。自然をよくご存じの方がそんなに和歌山によく来てくださって長くいてくださるというのは。

西口 そうですね。今、自然が豊かということでしたが、自然が豊かということは一面でまた、ミカンやカキ、桃といった果実の生産高も、もうここ6年ばかり総生産額は全国一をずっと続けているんです。

それだけじゃなくて、リンゴと言えば青森とか長野だと思われるでしょうが、和歌山でもリンゴをつくっているところがありましてね、できないフルーツはないというぐらいです。ですから、自然に恵まれているということは同時にそういうふうな農業生産高とか漁獲高も結構多いということで、いろいろな面で恵まれている。県民の皆さんから言うとまだ不満が大分あると思いますけれども、しかしまずまず全国の中でも住みやすい豊かな県だと、そう思っております。

司会 そういう自然に恵まれた豊かな県、すばらしいんですけれども、今度はその自然とうまくおつき合いしていくのが一番大切かと思います。そのあたりの自然の保全とか活用といったことも含めましてお話を伺いたいと思います。

知事、そのあたりはいかがでしょう。

西口 今県でも貴重な野生動植物のデータを

 

 

 

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