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■ 『スコレー都市・石和』を宣言

“まちづくり”は、確かなイメージを描くところから出発する。このため石和町では、住民諸階層のエーズを十分に反映させた第3次総合計画を1987年に策定、

◆安全で快適な住みよい環境づくり

◆明日の活力を生む産業づくり

◆創造する福祉と健康づくり

◆心豊かな人づくりと香り高い文化づくり

の4つの旗を高く揚げた。そして西暦2,000年を目標年次とした総合計画策定時、併せてスコレー都市・石和を宣言した。

スコレー(Schole)とは古代ギリシャ語で、個人が自由に、主体的に使うことを許された時間という意味を持っている。余暇を活用して学習し、そのことによって経済的にも豊かになり、自己自身を高め、文化を創造し、充実した人生を過ごすことを目標としている。アリストテレスの政治学によるとスコレーの活動内容は、国政への参加、学問に費やすこと、芸術を楽しむこと、善き人間になるための徳を磨くことの四点を指摘している。

現代的に解釈すると、学校教育は言うに及ばず生涯学習に励み、職業能力や教養を高めることに努め、人間的に向上することと意義付けすることができる。つまリスコレー都市とは、このような住民の自由で主体的な営みを可能な限り支援、補償する都市ということである。

 

■ 生涯学習で人づくり

地域社会にあっては人と人、心と心のきづなが大切であるが、温泉観光地としての発展が極めて急激であったことや甲府市のべットタウン化が進んだことによって、スコレー都市を標榜した当時、かつて農村に存在していたよき人間関係が希薄になりつつあった。また、地域に根差した公民館活動は停滞の感があり、この地で生まれ育った住民と新住民、お年寄りと若年層というように意識の階層化が進行していた。策定委員会でもこうしたが第一義に取り上げられ、誰もが気兼なく利用できる学習の拠点づくりが決定された。

それが生涯学習の場を提供するスコレーセンター(多目的研修集会施

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