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Authorities)などによって、世界的な自治体組織相互間のパートナーシップの精神が広まり強化されていることなどの状況の下に今回の会議が開催されたことを述べています。

?確認事項

続いて確認事項として、?地方分権に関しては、(a)中央政府からの真の権限移譲拡大〔中央政府は補完的であること(Subsidiarity)〕が必要であること、(b)単なる役割権限の移動ではなく、民主的に選出された代表のリーダーシップの下に、すべてのコミュニティのメンバーによって市民に関係ある事柄が執行されるような仕組みであること、(c)分権はそれ自体が目的ではなく、コミュニティの現実生活のニーズにこたえるための一手段であること、(d)収入源や法的権限が実質的に保証されなければ全く無意味であること、?多様性に関しては、前向きに努力するさまざまの市民や市民グループ、特に婦人を含むこと、?パートナーシップに関しては、(a)地方自治体は、中央政府、民間部門、NGO(非政府機関)、CBO(コミュニティ「関係機関community-based organisation)など、文字通りすべての部門とのパートナーシップの方法を工夫すべきであること、(b)パートナーシップはすべての社会構成員が積極的に公的活動に参画する方途であり、そのためにはローカルレベルの合意形成・方針決定に当って、すべての関係者に対し、これまで以上に情報を提供し協議しなければならないことなどを述べています。

?宣言事項

宣言事項として、?地方分権に関しては、(a)民主的分権実現のため、国際機関。中央政府はあらゆる必要な措置をとるべきこと、(b)効果的な分権のために、地方自治に関する普遍的な原則を定める世界憲章を早急に準備する必要があること、?多様性に関しては、(a)特に女性について配慮すること、(b)あらゆる年令、社会、民族グループを意思決定過程に参加させること、?パートナーシップに関しては、地方政府はあらゆる部門の力を結集できるような方式を工夫すべきであること、などを述べています。

?国際機関・中央政府への要望事項

ここでは、これまでに述べてきたことをあらためて述べているほか、特に国連に対しては、「地方自治世界憲章」の制定と、「地方政府世界の10年(2000年〜2009年)」の設定などを強く求めています。

?具体的実施事項

具体的実施事項として、?国際機関との連携強化、?「ブレーメン宣言(1997年3月)」の原則に即したビジネスとの連携、?地方レベルでの意思決定過程においてすべての社会グループを参加させ、かつ、多様性を認める措置を講じること、?WACLAを契機に新たに設置された国際的な自治体連合連携機構(WACLAC(World Associations of Cities and Local Authorities Coordination)を活用し、地方の声を一つにして強力に国際機関に働きかけることなどを述べています。

?結語

最終宣言は最後に、人間の発展における新たな時代の到来を宣言し、?未来は人々が生活し働いているコミュニティの中から生み出されなければならないこと、?持続可能な人間の発展は、多様性を認め、社会のあらゆる要素がパートナーシップを組む中から実現されること、?分権のための諸政策だけが、千年の長期を視野に入れた真に公正で平等な世界共同体。人類の世界家族を実現させるものであることを述べています。

 

5. 会議の評価・感想

今回の会議に出席しての私の感想なり評価について、以下ご説明します。

(1)世界的「地方の時代」の到来

最近の各種サミット、特に、昨年6月トルコのイスタンブールで開催されたハビタット?(都市サミット)において、地方自治体(及び地方自治体連合組織)の果すべき役割に対

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