3. 会議の概況
(1)今回の会議の概況を項目別に列挙すると、次のとおりでした。
?主催
モーリシャス・ディストリクト・カウンシル連合とモーリシャス都市連合の共催で、IULAアフリカ支部が支援
?テーマ
「第3千年期のための地方統治一地球村における地方分権、多様性とパートナーシップ」
“Local Governance for the Third Millennium:Decentralisation,Diversity and Partnership in the Grobal Village”
?日時
1997年(平成9年)4月6日(日)〜10日(木)(5日間)
?場所
モーリシャス(アフリカ)
?参加状況
約85か国から750人以上が参加
(日本からの参加者は20人)
(2)会議は、4月6日の開会式ではじまり、多くの全体会議(7回)、分科会(3分科会14班)や視察、歓迎レセプションなどがあり、地方自治体関係者だけでなく、国連などの国際機関、中央政府、ビジネス関係者、ジャーナリストなど、世界の各分野の人達が集まり、会議のテーマを中心に、活発な意見発表、質疑応答、討議、交歓などが行われた後、まとめとして、「最終宣言」が採択され、4月10日に開会しました。
(3)なお、IULAの公用語は、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語の4か国語ですが、今回も特にブースが設けられて、日本語同時通訳があり、お陰で、会議の内容をよく理解することができ、大助かりしました。(4)また、小国のモーリシャスにとっては、このような規模の世界会議が開催されるのは、歴史はじまって以来の出来事ということで、国の国際的威信をかけ、大統領以下総力を結集してその運営に取り組み、涙ぐましい努力をしていました。
4. 会議の結果(「最終宣言」の概要)
(1)紙数の関係もあり、会議の具体的内容について詳細に触れることはできませんが、会議を総括する「最終宣言」が採択されていますので、その概要を中心にご説明します。
(2)今回の会議のテーマは、前述のとおり、「第3千年期のための地方統治一地球村における地方分権、多様性とパートナーシップ」でした。情報伝達・運輸手段の高度化、冷戦の終結等に伴い、世界の相互依存関係が強まる等、地球が実質的に狭くなり、「地球村」の概念が現実のものとなる中で、将来の「千年」という長い期間を視野に入れて、地方統治のあり方を、「分権」、「多様性」、「パートナーシップ」という3つの基本的な要素に分けて検討するという、まことに包括的なものでした。
したがって、今回の最終宣言は、IULAの現状認識を示すとともに、今後の地方統治のあり方の原理・原則を示す憲章的性格の強いものになったと思います。
(3)最終宣言の要旨
今回の最終宣言は、序文、確認事項、宣言事項、国際機関・中央政府ヘの要望事項、具体的実施事項及び結語の6区分から構成されています。
?序文
序文においては、?社会経済の急速な変化、経済のグローバル化などにより、都市・農村を問わず持続可能な人間居住を確保するため、地方の生活と世界。国の政策との関連がますます密接になっていること、?政府、民間部門、市民組織のパートナーシップを図るうえで、地方自治体の果す役割が拡大していること、?第2回国連人間居住会議(ハビタット?)、1996年イスタンブールなどを契機として、分権化への力が強まっていること、?コミュニティの運営について豊かな多様性をもった市民が大きく貢献すること、?WACLA(1996World Assenbly of Cities and Local