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伴う設備投資

a) 船台の拡張と組立ヤードの整備 昭和29〜35年

大型クレーンの設置(第一次,大型タワークレーン) 昭和29〜40年

〃    (第二次,ゴライアスクレーン) 昭和40〜49年

大型ビルディングドックの設置 昭和35〜49年

建造船の急速な大型化に伴い各社ともゴライアスクレーンを備えたビルディングドックの新設を行いました。図30にはタンカーサイズの変化と建造されたビルディングドックのサイズの変遷が示してあります。三井造船千葉工場,IHI横浜工場を皮切りに20万トンクラス,30万トンクラス,50万トンクラスと急速にサイズの大きなドックが建造されていて,遂に昭和47年から49年にかけて三菱香焼,日立有明,IHI知多等の100万トンクラスの超大型ドックが実現して,造船量世界一を支えております。

 

iv) 建造技術の革新による作業効率の向上

以上のような一連の建造方式の革新に伴って作業効率(生産性)がどのよう改善されていったかを次に述べます。

a) 船殻加工工数の減少

図26に船殻加工工数の変遷を船殻生産性指数の形で,昭和25年を100として示してあります(図中実線)。昭和25年から30年までの値は南崎邦夫氏の著書(文献11))より引用したものです。昭和25年から26年にかけての急激な減少は鋲接から溶接に移行したためであり,26年から30年に至る4年間の減少はブロック建造方式の導入や大型クレーンの設置によるものであります。その後も先行艤装,NCガス切断等の採用や大型ドックの設置等により,工数が減少していて,船の大型化もあって,平成2年頃には昭和25年の実に1/25程度にまで減少しています。

b) 船台期間の短縮

ブロック建造方式の発展に伴い,船台期間も大幅に短縮されて,図26に一点鎖線で示すように,昭和24年頃は10ヵ月かかったものが,35年頃には5ヵ月程度に,また60年には2.5ヵ月にまで短縮されています。しかもこの間に船のサイズは約10倍になっている事を考えると,実質的な工期がいかに短縮されたかがわかります。船台期間の短縮により,同一船台

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