
(80) 固有ひずみを用いた弾性計算による溶接変形および残留応力の推定(第2報)
-多重熱履歴の下での変形と残留応力-
羅 字,村川英一(阪大),上田幸雄(近畿大)
多層溶接における力学現象は,新しく付加された溶着金属部と多重熱履歴を受ける既溶接部に分けて考えることができる。本論文では,後者に注目し,TIGによるビード溶接を繰り返し実施した時の変形および残留応力を,実験とFEM解析により分析し,固有ひずみの生成機構および影響因子を明らかにした。さらに,これらに基づき,固有ひずみを用いた弾性計算による変形と残留応力の予測法を多重熱履歴の問題に対して提案した。

(81) ペトリネットを利用した造船工場のシミュレーターの構築
青山和浩,野本敏治(東大),渡辺健太郎(石播)
著者らは,造船CIMに関する研究を行なっており,既報において造船所における生産計画支援システムを提案している。本研究では,物が流れることのモデル化に適するペトリネットを用いて造船所をモデル化することを検討した。さらに,この造船所モデルを用いて,時間を任意に変化させ生産活動の進捗をシミュレーションする造船工場シミュレータを構築した。

(82) 遺伝的アルゴリズムを使った船殻作業の最適化計画
奥本泰久(近畿大)
船殻の大組立やブロック塗装作業は,複数のロボットや作業者が,ブロック内のある区画で作業を行い,また次に移動していくという形を取る。通常,区画によって作業時間にばらつきがあるが,各作業者がどの様なルートをたどって作業すれば最小期間で全作業が終了するかを,遺伝的アルゴリズムの手法を使ってシミュレーションするシステムを開発した。試計算結果,通常の計画と比べ各作業者の作業時間が平均化され,作業期間を短縮できることを確認した。

(83) 解析システムの統合化における解析部品のフレームワークに関する研究
青山和浩(東大)
設計における解析とは問題を解決する技術として位置づけられる。解析においては製品を様々な側面から捉え評価することが重要であり,その結果を総合することにより問題を解決することが特徴である。本研究では,製品の様々な側面を捉えた解析モデルを複数導入し,部品化された解析機能の組み合わせにより解析の流れを自由に組み立てることが可能なCAEシステムを構築し,システムの有効性を検証した。

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