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(76) 繰返し荷重下の船体用構造材料の変形挙動と強度特性に関する研究(その4)

冨田康光,橋本聖史,大沢直樹(阪大)

伴 大助,宮園太助(阪大院)

著者らが開発した,材料不安定発生時や変動荷重負荷時の応答を安定して解析できる繰返し変形解析用結晶弾塑性有限要素法計算コードを用いて,面心立方単結晶の繰返し変形挙動を計算し,局所塑性歪の局在化と非可逆すべりの発生を解析した。そして,累積剪断歪と非可逆すべり発生量を疲労き裂生成過程進行度を表すパラメータと考えて,荷重条件とき裂生成過程進行度の関係を調べ,疲労損傷累積の非線形性の原因を考察した。

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(77) 造船用鋼板切欠き材の腐食疲労強度

小林佑規,田中義久,後藤英信,松岡一祥(船研)

本橋嘉信(茨城大)

造船用鋼板切欠き材の大気中および人工海水中疲労試験を行い,き裂発生寿命に及ぼす応力集中係数の影響,切欠き底に作用する最大応力の効果を検討した。

き裂発生寿命および大気中疲れ限度は,応力集中係数から推定できる。切欠き底の等価応力とき裂発生寿命のS-N関係は,試験環境毎に集約できる。

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(78) 60°C海水中のカソード防食を施した造船用鋼の間欠浸漬条件下腐食疲労特性

萱森陽一,大内博史,征矢勇夫,瀬戸厚司,小林順一(新日鉄)

船舶バラストタンク環境を模擬した60℃人工海水中電防下間欠浸漬条件で造船用鋼の疲労試験を実施し,間欠浸漬条件において電防が疲労寿命を改善することを明らかにした。くさび効果に着目した考察を行った。

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(79) アルミニウム合金A6NO1-T5の腐食形態に及ぼす組織の影響

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船体構造用に期待されているA6N01合金の実用材について金属組織の観点から調査するとともに,40°Cでの人工海水浸漬試験を行い,耐海水性への組織的な影響について検討した。その結果,A6N01-T5という同一の規格の範囲内であっても,化学成分や加工熱処理条件の違いによって組織に大きなばらつきがあることが分かった。特にMgの分布状態に大きな差がみられた。これらの組織と初期腐食形態との関係について機械的性質との関係も含めて考察を行った。

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