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(48) 水中ロボットによる沈没船周辺のワールドモデルの自動構築

荒牧浩二,浦  環(東大生研)

ナホトカのような沈没事故では,船体の接近調査のために水中ロボットが投入される。ドルフィン-3KなどのROVでは人間が主にビデオ画像を見て操縦するが,視野に限度があり,ROVの位置や姿勢を見失う危険がある。本論では有視界操縦の前段階あるいは補助手段として,ソナー計測値を基にワールドモデルを自動的に構築するためにロボットを自動航行させ,操縦時に障害物とROVとの客観的な位置関係を提供するためのシステムを提案する。水槽実験とシミュレーションにより,有効性を検証した。

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(49) ジェネティック・アルゴリズムによる海中ロボット運動の最適化

張 銘鈞(東大院),浦  環(東大生研)

海中ロボットが特定の目標点に向かうとき,運動の軌道及び軌道速度を最適化するジェネティック・アルゴリズムを提案する。本システムでは可変長個体を用い,到着点の位置と速度の精度及び操作エネルギー最小化を評価関数として多目的最適化をおこなう。途中に障害物の存在する場合にも障害物を避けた最適軌道と軌道速度を生成することができる。提案するシステムをシミュレーションにより有効性を検証した。

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(50) 無索海中ロボットの遠隔操作に関する研究(その1)

-時間遅れに対応するシステム構築-

川野 洋(三菱電機)

近藤逸人,浦  環(東大生研)

超音波通信による時間遅れに対応した無索海中ロボットの遠隔操作システムを構築した。既知の海底地形や障害物の情報をワールドモデルとして持ち,仮想ロボット(予想表示),海中ロボット位置,カメラ撮影位置を3DCGにより表示する。全体を把握する視点(鯨瞰図)と,仮想的に海中に配置した仮想ダイバーの視点を得ることで,操縦者は臨場感を持って遠隔操作できる。シミュレーション検証によりシステムの可能性を示した。

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(51) 暑熱環境下の海洋作業における熱的限界と温熱対策に関する研究(その2)

-温熱対策区分-

村山雅己(鯨装研),中橋美智子(東京学芸大)

福地信義(九大)

暑熱環境下の海洋作業を想定し,日射,気温,風速と作業量,衣服熱抵抗などの熱的要因による影響を把握するため各種条件下において人体の度膚温,直腸温等を計測した。その結果を基に基幹温度の上昇が聞値を超えた場合を熱的限界とする作業許容限界の判定式を導き,海洋構造物の設計時における温熱対策例として西太平洋海域における温熱対策区分化をおこなった。

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