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(16) 不規則追波中を航行する船の転覆確率の分析(英文)

浜本剛実(阪大),Panjaitan James P. (阪大院), Munif Abdul (阪大院)

不規則過渡中を航行する船が転覆に至る3つのモード,Parametric resonance, harmonic resonance, pureloss of stabilityの数値シミュレーションと転覆確率を求める方法を分析的に検討した。この方法を15000 GT型コンテナ船に適用し,メタセンター高さGM=0.318mと0.6mの場合について波と船との出会角とその転覆確率との関係をもとめた。

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(17) 浸水した船舶の規則波中非線形横揺れ運動(英文)

村重 淳(船研),合原一幸(東大)

波浪中の船内への浸水が船体運動に与える影響はまだ明らかにされていない。本研究では,船内の滞留水と船体の横揺れの連成運動に注目し,模型実験と現象をモデル化した方程式により解析を行なった。その結果,この連成運動は復原力の横揺れ角に関する非線形性のために,比較的おだやかな規則波中でも大振幅かつ不規則で複雑な揺れ方をする場合があることがわかった。さらにこの非線形横揺れを非線形力学の観点から検討すると,低次元のカオスを特徴づける性質が見られる場合があることがわかった。

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(18) 海水打ち込みによる甲板水量及び甲板荷重に関する実験的研究

小川剛孝,田口晴邦,石田茂資(船研)

合理的な満載喫水線基準を検討するためのツールとして甲板本や甲板荷重といった打ち込み水に関連する甲板上の諸量を推定する実用的な手法を開発することを目的に,内航タンカー船型を用いて船体運動,船首相対水位,甲板水位分布及び甲板荷重等の計測を行った。計測データの相関関係の検討結果を基に;洪水流の理論を甲板水の挙動に適用し,船首相対水位から甲板上の水位分布を推定する手法を開発した。また,水位の時間変化を基に甲板水の運動量変化を考慮した甲板荷重及び甲板水圧の推定法について検討を行った。その結果,これらの推定式を組み合わせることにより,船首の相対水位から甲板荷重を実用的に推定できることがわかった。

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(19) ハングオフ状態における大水深ライザーの変動張力と波高限界

安川宏紀,尾崎雅彦(三菱重工),田辺明生(石油公団)

本論文では,スペクトル法をベースとしたハングオフ時大水深ライザーに作用する最大変動張力の予測法ならびにライザー上端部に作用する負の張力発生を判定基準とした波高限界の計算法を提案する。2,000m級ライザーを対象とした波高限界の計算例を示し,不規則時刻歴解析をもとにした結果との比較を通じて,本計算法の妥当性を確認した(下図参照)。さらに,ライザー設計への応用例として,波高限界に及ぼすライザー長,ライザー水中重量等の影響について論じた。

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