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第3章 船舶検査機関の訪問調査概要

 

3-1. 韓国

前章で触れた通り、韓国は昨年7月1日に船舶検査担当課長の異動があった。運輸省から紹介された新課長あてに7月18日付、質問書を送付したところ、10月16日付の返信があり、関係法令の条文を英訳して添付する等、誠意ある回答書であった。しかし韓国・中国地区訪問調査には間に合わず、政府との質疑の機会は逸した。

韓国船級協会への質問書に対しては、先ず機関部長から、簡略ではあるが極めて迅速に(3月26日FAX)回答が寄せられた。次いで約2カ月後、質問書の宛て先本人(IACS担当部長)から、不在のために回答が遅れた旨の謝辞と共に、より詳細な回答が送られて来た。また、訪問を了承した後には宿泊ホテルを尋ねて来たが、これはタクシーの運転手が分からなかった場合に備えてホテル名をハングルで書き送るためであった。訪問時には両氏が揃って応対してくれた。

政府宛の質問送付状には“日本の運輸省から紹介戴いた”旨記したが、それ以外は特に伝もなく、本調査において韓国人の予想以上の律義さを感じたものであった。なお、韓国は行った限りの経験では、アルファベット標記のホテル名、住所でタクシーを利用することは可能と考えられる。中国は殆ど通じないようで、中国を訪問する場合は事前にホテル名や住所などの中国語標記を調べておく必要があろう。

三者の回答はそれぞれ細部で若干異なる部分があるが、一方的な質問に対して誠意を以て書かれてあり、特に最後に受け取った政府からの回答書には試験機関が詳しく書かれていることから、以下に先ず政府からの回答、次いでKRとの質疑、そしてKRからの第2回目の回答の順にそのまま掲げる。また、附属資料に船舶安全法、省令目録及び型式承認規則を掲載する。

 

?. 韓国政府からの回答

1997年10月16日

先ず初めに、船舶検査に関する'97年7月18日付貴信への回答が遅れたことを深くお詫びする。国会に提出された明細に沿い、韓国船舶安全法を改正する作業が切迫していたためである。

貴殿への情報としてお伝えするが、海洋漁業省は、KR船級船以外の船舶の法定検査を、認知された民間機関に委託することを決定した。それにより、政府の検査官は海上の安全政策の遂行-特にポートステートコントロールに専ら集中できることとなる。この目的に沿った関係国内法の改正は進行中であり、今年中には仕上げられると予想される。

質問に対する添付の回答をご覧戴きたい。

敬具

 

 

 

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