(c) 船舶の沈没の際、自動的に浮揚して船舶から離脱するように格納されていること。
(d) 煙突からの煤煙及び火花、雨水等による外的損傷から保護されていること。
(e) 船内からの排水が救命いかだに入ることを防ぐための措置がとられていること。
(f) 積付場所を照明する装置が備え付けられていること。(第1・第3種船に備え付ける救命いかだに限る。)
(g) 他の救命器具の迅速な取り扱い、進水場所における乗船者の整理及び乗込みを妨げないこと。
(h) 居住区域及び業務区域にできる限り近い位置に積み付けること。
(i) 船舶の前方に配置する場合には、船首隔壁より後方の保護された位置に積み付けること。
(j) 船尾の突出部及びプロペラからの距離を考慮して安全な位置に進水させることができること。
ただし、この場合、格納されているいかだを投下させる必要はない。
(2) 第1回定期検査後の定期的検査
第1回定期検査後の定期検査及び中間検査(以下定期的検査)の方法は、次の点検・試験を行
い、現状良好であることを確認する。
(a) 格納状態・展張状態及び膨脹状態での外観点検
(b) ガス充気装置の点検・取替え
(c) ぎ装品の点検
(d) 荷重試験(製造後10年以上を経過したものに限る。ただし進水装置用は2年ごと。)
(e) 耐圧試験(製造後10年以上を経過したものに限る。)
(f) 実ガス膨脹試験・漏洩試験
(g) 安全弁の作動試験
(h) 乗込台の機能試験
(i) 自動離脱装置の外部点検・作動試験
(j) 積付け状態の確認
膨脹式救命いかだの検査は、いかだの製造年月後の経過年数に従い、検査が執行される。
(a) 外航旅客船及び外航貨物船
IMO決議A.761(18)「整備事業場を承認するための条件についての勧告」に盛り込まれている整備の方法が基本的に膨脹式いかだの検査として取り入れられている。実施される検査は製造後の経年により行われる検査である。
(b) 内航旅客船
装着しているガスによる膨脹試験は、従来の投下試験の考え方を一部踏襲している。このため5年毎の整備でガス膨脹試験を完了することになっている。多数搭載している船舶は、実ガス膨脹試験・耐圧試験及び荷重試験の分割整備も認められ、いかだの製造後の経年により検査が実施されることを考慮すると、整備の組み合わせは非常に複雑である。船主及び運輸局(または海運支局)と十分打ち合わせを行い、整備を実施する必要がある。