(b) 上下主気室のそれぞれに「廃却」「廃却年月日」「取扱い整備工場名」のマーキングを行い、廃却品であることを明確にする。
2-7 ガス充気装置の組立、取り付け
点検をすませたガス充気装置の各部の組立て、いかだへの取り付け作業は次の手順で行うが、いかだへの取り付けは膨脹した状態で行う場合と排気した状態で行う場合とがあるので、メーカーの「整備規程」をよく読んでから行う必要がある。又ガス充気装置の各部組立てについては、締付トルクが規定されている部分もあるので、メーカーの「整備規程」をよく読んでから行うこと。
(1) 部品確認
取り付けるボンベがいずれも耐圧試験後6年以内のものであり、十分防錆処理が施してあるか、ボンベ内のガス量が表示質量通りであるか、温水試験合格済であるか、カット装置には整備済みのシールまたは封印がされているかなどを確認すること。
(2) ガス充気装置の組立
(a) ボンベとカット装置部とのネジ部が傷んでいないかを確かめた上、初め手まわしで正しくかみ合せ、次にトルクレンチで絞過ぎぬよう締付ける。パッキンを使用しているものと、使用していないものがあるから間違いのないようにすること。
(b) ボンベサックに収める。ボンベサックは十分乾燥しているか確かめること。
(3) いかだへの取り付け
(a) いかだへの取り付け
(イ) いかだへの不還弁座のゴム焼付部を指先で傾け、あるいはまわして異状のないことを再確認し、連結金具と不還弁座が別になっているものは、連結金具の絞具合をしらべる。次に袋ナットの回転をしらべ、スムースにまわらない時は、バネ環がかじっているので注意すること。
(ロ) 次に不還弁座に対し、ボンペを直角に支えながらカット装置部のネジに袋ナットを手まわしで正しくねじ込む。最後に弁座にスパナー(要すれば専用スパナー)をかけ、動かぬように固定して、袋ナットをトルクレンチで締付ける。締過ぎぬよう注意すること。この場合パッキング使用のものと、使用しないものとがあるから注意すること。
(ハ) 締め終ったらポンペを僅かに動かしてみて不還弁座、連結金具、カット装置部が一体になっているかを確認する。
(ニ) 排気状態でボンベを保持帯に取付ける場合は、ボンベを保持帯の中心線上に置き、不還弁座と保持帯との間に、ひきつれやたるみのないようにする。
(ホ) ボンベをボンベ保持帯で包み、保持ひもを十分に締める。投下した時、保時ひもがゆるいとボンベが動き、不還弁保持帯等を破損する原因となるから注意すること。
(ヘ) ボンベサックの開口部でカット装置部付近を保護するように包み、ボンベサックの口を締める。
(ト) 作動索は誤作動を避けるため、格納袋あるいはコンテナに収めるまで自動索に取付けず、先端をループに巻いておくこと。