(3) 艤装品の収納
(a) 収納袋への組込は、乗艇後直ちに使用するものを袋の上部に取り出し易いように配置し、袋の表面には極力凸凹が出ないように整頓して収納する。手で触れてみて極端な鋭角の突起部のある場合は、収納をやり直すか当て物をあてて損傷防止の措置を講じる。
(b) いかだに直接組込む艤装品は、いかだ本体の漏洩試験が終ってから所定の位置に確実に取付ける。
(c) 以上の点検が終ったら、補充、交換した艤装品はすべて記録し最後に再確認すること。
(4) 艤装品の個数(高所用いかだのみに適用)
各部個装は、メーカーによって高所用の艤装品の保護方法が異なるので整備規程に従い個表してから艤装品袋に収納する。
2-6 膨脹状態での試験
(1) 試験準備
(a) 試験場所
敷物などを敷いた室内の平坦な床上で作業を行うこと。膨脹したいかだの移動、運搬、反転には、いかだの周囲に人を均等に配置し、局部的に重さが加わらないように注意し、いかだを引きずってはならない。
(b) 器具
コンプレッサからの圧縮空気を用いていかだを膨脹させる場合は、その圧縮空気は水分及び油分を含まず、温度も室温と同様であることが望ましい。そのために、コンプレッサからのホースはできるだけ長くするか、あるいは空気溜を設けるとよい。漏洩試験時の室温は特に規定しないが、試験前後の気室温度の変化が3℃を超えた場合は、その試験を無効としやり直しとなるので、室温、気室の表面温度及び圧縮空気の温度などの変化に注意することが必要である。
気室の表面温度測定用の温度計は、適当に較正されたものであれば、棒状温度計に限らず、デシタル温度計などを用いてもよい。また、気室の内圧測定用の圧力計は、適当に校正されたものであれば、水銀マノメータまたは水マノメータに限らず、デジタル圧力計などを用いてもよい。
(2) 実ガス膨脹試験(製造後5年経過毎に行う)
いかだをコンテナから取出し(格納袋に格納されている場合は、格納袋より取出し)、危険がない程度に床上に展張し、自動索を引いていかだを膨脹させる。
この膨脹試験の間、安全弁が正常に作動するか確認すること。また、膨脹試験の後、ガス充気装置付近のゴム布の亀裂、不還弁座のはがれ等の異常の有無を入念に確認すること。この試験の後、引続いて漏洩試験等を行う場合は、ガス充気装置付近のドライアイスの残留の影響がないことを確認し、漏洩試験等に移行すること。
なお、狭い作業場でこの試験を行う場合は、放出される炭酸ガスによる酸欠も考えられるので、換気に十分注意すること。
(3) 荷重試験
(a) 進水装置用以外のいかだ(製造後10年以上経過したいかだのみ)
(イ) 湿式の場合(水槽で行う場合)