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和国でも特に高い潅漑水田面積を持つ西ジャワ州、バンドン県での急速な工業化、都市化が潅漑農業におよほす事例を紹介する。

 

4 アジアの工業化と潅漑農業

 

インドネシア共和国は大小17,500あまりの島々から形成され、その全国土面積は約200万k?uにも及ぶ。総人口は1997年2月に2億人を突破し、世界第4位の人口を擁する島嶼国家である。この国の特徴は人口、食料生産、都市化および工業化の全てがジャワ島に集中し、この国の雇用、経済活動に著しい不均衡を生じていることである。人口分布からも全人口の3分の2に相当する約1億人が、全国土面積のわずか7%にすぎないジャワ島に集中する超過密都市とカリマンタン、スラベシ、スマトラおよびイリアンジャヤ島の外島と呼ばれる超過疎地域が存在することからも示される。食料生産ではインドネシアの総水田面積は全国土面積の9%に相当する約820万haが存在し、その約32%がジャワ島に分布する。さらにジャワ島水田の約70%は潅漑設備を持つ水田であることからもジャワ島の水稲生産力の高さがうかがわれる5)

1949年独立以後、スカルノ大統領により国家建設が始まり、「開発の父」といわれるスハルト政権のもと25カ年の長期計画(Replita I〜V)により経済開発を重点課題とした国家建設が進められている。特に農業部門に関しては、独立以来、最重要国家課題であった米の自給を1984年に達成した。米以外の農業生産物は多岐に渡り、米の自給達成後これらの生産量は大幅な伸びを示している。一方、工業部門においても産業育成政策の導入により国内工業向けの原材料の生産、輸出用製品、半製品の生産など着実に進展している。このような経済発展を背景とし、インドネシア社会の変化も急速に進み、都市部のみならず、この国の食料生産を支えてきたジャワ島農村部での生活パターン、農業様式および農業技術に大きな変容をもたらした。6)

この地域の土壌は水さえ確保されれば高い生産力を示す。この優良な農耕地がバ

 

 

 

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