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にあるという証拠はたくさんある。その中のかなり明確な理由としては、経済が豊かになるほど、水供給、下水と排水の控制に容易に投資ができるということがあげられる7。これは貧しい国が衛生に対する努力から免除される、あるいは力を抜くべきであるということを意味しているわけではなく、また、経済発展によりあらゆる環境問題が解決するということを合意するものでもない。都市廃棄物と二酸化炭素の排出は経済の発展にともなって加速する傾向が見られる。しかし、現在のところ、人口の規模自体と環境劣化の間には説得力のある関連性は見られない。この点を説明するにあたり、人口規模の水資源に対する影響を表すため一般に使われている指標の一つを紹介する。

 

3 人口と水

 

スウェーデンの著名な水文学者、マリン・ファルケンマークの研究に基づき、様々な「水ストレス指数」は、国内の再生可能な淡水1,000立方メートル/人/年(表1参照)が「これを下回るとたいていの国で開発を妨げ人間の健康に有害となりうる基準の慢性的な水不足を経験しうる」8レベルを示す指標として最も一般的に使用されてきた。ベンチマーキングや比較に欠かせない経験的な推算と同様に、水ストレス指数も指針を作成するガイドとして誤解を招く可能性がある。輸入する水は対象外である。水利用の構造、特に灌漑農業のウェイトも考慮に入れない。

最も重要なことは、少なくとも今まで、少なくともアジアにおいてはそれを支持する経験的な証拠がそれほど見あたらないことである。

表1が示すように、アジアで現在1,000立方メートル/人/年ベンチマークを下回る国は、一部の例外(イエメンとヨルダン)を除けば、経済発展を遂げ、長寿国であり、シンガポールの他は中東にある。西アジアでも、その他に2050年までに3つの国(アフガニスタン、イラン、オマーン)のみ1,000立方メートル/人を下回る見込みである。アジア太平洋地域では、韓国だけがこのレベルを下回ることが予測される。水不足が韓国の経済にマイナスの影響を与えるであろうことは十分に考えられない。

 

 

 

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