図2.2は抵抗を無次元化したもので、平成7年度の試験で得られたDd船型の抵抗値も併せて示す。本船はDd船型に比べて抵抗値は若干大きくなっている。これは、本船の長さと喫水が大きいために、氷と船体の間の摩擦抵抗の増加及び氷を船底まで沈めるための浮力抵抗の増加が原因であると考えられる。また、本船は基本的な設計方針として、Dd船型を拡大して設計しているが、喫水が比較的深いため、船幅方向の拡大率が1.25倍なのに対し、喫水方向の拡大率は1.56倍となる。したがってそのまま拡大すると、肋骨線形状が立つ傾向となり喫水線位置のSpread Angle(γ)がDd船型より大きくなるので、砕氷抵抗が増加する。ゆえに第2章で述べた様にγが極力Dd船型に近づける様に最適化を行った。しかしながら、船型全体のバランスから図3.2.15に示すように9 1/2より後半でDd船型よりγが大きくならざるを得ない結果となった。ゆえに氷中では肩部の抵抗が増加したため、全抵