■ 本船が途中で損傷を被った場合、砕氷船が曳航するのか?
■ 本船が積む荷物の種類はなにか?
■ 本船が実船試験を行う航路の氷況、気象、水路条件の詳細を知りたい?
■ エスコートする砕氷船の名前、サイズなどの詳細条件について知りたい?
■ 砕氷船の条件、砕氷船のクルーの運行経験?
■ 砕氷船クルーと本船間の言語?
(6) 実船試験要員に関する費用
本船は乗船定員に余裕がないために、12〜16名程度の実船試験要員が乗船する場合は一時的に改造が必要である。SOLAS等の法的な規制を如何にクリアするかは別途調査が必要であるが、FEDNAV社はクリアできると考えている。ここでは、一時的に船内のロビーなどを改造し、10名程度の居室を確保するための費用を概算で加算することにする。日本〜ヨーロッパまでの旅費については16名分を見る。
居室改造 = $1500 x 10 = $15,000
旅費 = $5,000 x 16 = $80,000
(7) 積み荷に対する運賃収入
本船はバルクであり、積み荷がなければ氷海航行に必要な喫水は確保できないことから、積み荷の確保は絶対的な条件である。FEDNAVはM/V Federal Frankinか又はその姉妹船であれば自分達としては本船に荷物をつける自信があると語っている。その場合、本運賃費用は本プロジェクトにとって、コスト削減項目となる。首尾良く荷物が見つかるかどうかは、実船試験の数ヶ月前にならないと明確にならないこと、また従来の商習慣に照らし合わせて荷主が納得するか疑問の残るところである。期待できる運賃収入としては$10/トンを仮定した。しかしながら、本収入は入ってくる保証がないことから、積算からは除外した。
運賃収入= 42,000 x 10.0 $/ton = $ 420,000
(8) 費用総括
以上の費用を表4.5.2に総括する。約2.3million$(約3.2億円、1$=140円として)と推定される。実船試験が25日間で完了した場合の上限値である。現実には0.5〜1.0億円の運賃収入が現実的には発生し減額できることが期待できる。本費用の中に、本実船試験を利用し、実施する試験研究費用は除外している。