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波浪中を航行する船舶には縦曲げ、剪断力等の外力が加わるが、波形勾配の厳しい波浪条件下ではスラミングにより船首部に大きな衝撃力が発生する可能性があることが知られている。特に本船のような砕氷船首を有する船舶にあっては、船首部のフレア角が低いことから船底のスラミングには至らない場合であってもフレアスラミングによる波浪荷重が懸念される。このため水槽実験において計測された heaving 及び pitching より船首部 FP における船体の上下運動の速度を求めた。ただし、各実験において発生した波高は必ずしも一定ではなく実験毎に多少異なることから、目標波高 93 mm(実波高 4.07 m)と実験時の実際の波高との比により計算結果を修正した。図3.3.21にVFPと船速Vとの比を無次元波長の関数として示す。図には、船首部の上下運動速度は
λ/Lpp=1近傍においてピークをとり、その値は船速の5%程度に達することが示されるが、この程度の運動速度では、問題となるような衝撃的な動水圧の発生の可能性は低いと考えられる。

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