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・船首及び船尾形状: 本船の船首・船尾形状は、平成7年度までの最適船型で平水中および氷中性能のバランスの良かったD-d船型をベースにこれを改良し、またL/Bの増大にともなって平行部を延長させるものとする。Cbは0.75〜0.77程度を目標にした。

・船体構造: 船体構造は近年のバルクセーフティの問題を考慮し、さらに厳しい環境下を航行する商船であることからダブルハル構造を想定する。

・排水量、DWT: 上記主要寸法、砕氷船首/船尾の特徴から排水量は約71,000tonと推定され、砕氷船のエスコートを考慮した今回の想定航路の船型としては最大クラスとなる。また、耐氷構造とダブルハル構造を考えて軽荷重量を約20,000tonと推定した。DWTは約51,000tonとなる。図3.2.6に本船の載貨重量を代表的な耐氷型商船の載貨重量とともに、L(B+D)/100をパラメタにして示した。

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・砕氷能力: 本船は厳しい氷況では砕氷船のエスコートを受けるが、砕氷船タリフは耐氷クラスによって大きく異なり経済的には上位の耐氷クラスが有利となる。また自力航行区間の安全性からも耐氷クラスはIA Superとし、1.2mの氷盤を3knotsで連続砕氷可能な船型とする。

・開水中速力: 現在のPANAMAXバルクの航海速力を約15knotsとするとSUEZ経由でHamburg - 横浜を約33日で航海し、停泊日数を4日として1年100%稼働としても年間5往復が限界である。NSRの航海日数上のメリットを実質的に示すためには、年6往復の航海が必要であると考えた。そのためにはHamburg - 横浜を平均28.4日間で航海しなければならない。表3.2.3で設定した航路で考えると、氷海航行区間4500NMの平均航海日数は約20.8日であるので、残り開水中航海区間3100NMを7.6日で航海する必要がある。これより開水中の航海速力としては

 

 

 

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