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17knotsが必要となる。

・主機: エンジンは経済性を考慮して、通常の排水量型船舶と同様、低速ディーゼルエンジンの採用の可能性を検討することにした。主要目から計画砕氷能力に見合う主機馬力はLRルール、ASPPRの推定式及びNK規則の規則要件で下表のように算定される。

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また、本船に近い要目を持つ同じ耐氷クラスの建造船の主機馬力は20,000〜30,000PSとなっている。総合的に本船のIA-Super所要計画馬力は21,000PSと設定した。対応する主機としては、氷中航行時の推進効率低下も考慮して、現存する低速ディーゼルエンジンの中でも高回転でこの出力範囲にあるものを選定する必要がある。一方開水中航行の所要馬力に関しては、本船のような排水量クラスの耐氷船型のデータが少なく、計画段階での精度の高い馬力推定は難しい。ここでは従来のPANAMAX船型の中で最も要目の近い船型の馬力データを参考にし、船首・船尾部の砕氷船形状による馬力増加を20%と仮定して、常用航海出力(NSO)を21,750PSと推定した。従って常用航海出力はIA-Superの所要馬力を包括しており、本船の主機は開水中性能によって決定されることになる。

以上から本船の主機を暫定的に最大出力24,160PS/113RPMの現存するディーゼルエンジンとした。

なお、計画・設計後の模型試験(3.3章)による馬力推定において、砕氷性能は計画値を満足したが、開水中17knotsの所要馬力は上記馬力を若干上回る結果となり、3.4章において主機要目の見直しを行っている。

 

 

 

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