助的プロジェクトばかりではなく、実質的にはPhase ?よりの継続プロジェクトが少なくない。これは、INSROP GISに代表されるように、状況の変化、資料の更新、追加などによって、絶えず手を入れなければならないプロジェクトであるからである。例えば、環境指標生物種についても、それらの生態が十分に理解されている訳ではなく、大筋では関係研究者のコンセンサスが得られていても、異論は多く、評価についても見直し、再検討が行われることはしばしばである。
Box C( Left )の構成プロジェクトの概要を、INSROP Phase ?区分同様に各サブ・プログラム毎に表2.3.2に示す。
サブ・プログラム毎に本年度作業の中で特記すべきものの概要を以下に示す。
(1)サブ・プログラム?: 自然条件と氷海航行
・ノルウェー所管プロジェクト(以下プロジェクト番号をPrで表す)
Pr.I.2.4では、RADARSAT ScanSARを1997年9月、始めて利用し、カラ海及びラプテフ海での"Sovetsky Soyus"の航行支援を行い、密接度、分布、移動速度について精緻な氷況データが得られ、試験航海レベルでは問題が殆どないが、商業航海では、なお技術的に解決しなければならない問題があることが分かった。Pr.I.5.7では、カラ海での実海域流出実験及びSINTEFでのコリオリ力再現水槽での実験結果から、海洋物理的な面のみではあるが油面拡大特性等について有益な情報が得られている。
・ ロシア所管プロジェクト
Pr.1.2.3では、NSR航行支援情報としてのロシア衛星データの有用性が確認されている。Pr. 1.3.5では、航行支援情報としてのロシア水文気象データの開示が一歩前進した。
(2)サブ・プログラム?: 環境影響
・ノルウェー所管プロジェクト
ここでは、次の3主題について、略計画に沿った進展が見られている。
(a)ダイナミック環境地図(DEA)
(b)環境影響評価(EIA)
(c)船舶及び運航に対する環境保全(ESSN)
環境影響評価法については、関係者の十分な議論が大切であり、DEAあるいはEIAに関するワークショップを開催、"Guidelines of EIA implementation" 記述のための基本構想がまとまりつつある。
・ロシア所管プロジェクト
Pr.?.6.10の石油流出に対する"Contingency Plan", Pr.?.6.12の船内廃棄物処理に対する乗組員用マニュアルの検討・作成については、作業の50%を終了。
(3)サブ・プログラム?: 経済性評価
・ノルウェー所管プロジェクト
WP3及びPr.?.3.1では、最近のアジア経済の悪化の影響等、変動激しい市場を