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Q6.大型船の場合は二重構造のデッキ(オープンタイプではなく、屋根付きのデッキ)とし、その中に機器類(救命用機器も含む)を設置しかつカバーで覆っている。これは、国際的なルールで沈没時には救命いかだ等が自動的に離脱しなければならないので完全閉囲でなく、一面はオープンにしている。

しかし、着氷するような海域では沈没時の人命維持は現実的には極めて困難であり、沈没しないよう船体着氷の落としも含め全力をあげるべきで、あまり救命いかだ等には期待していない様子であった。

2〜3mの着氷、着雪があるが大容量のアイスブレーカを使って除去したり、ヒータの使用で着氷の防止を図っている。ヒータは電気式の巻き付けるタイプのものである(ヒートトレーサ)。

ケーブルやワイヤ類はテスト段階で決定的なものはない。

なお、これらについてはヘルシンキ大学のカイリスカ氏に聞くのが適切であろう。

 

Q7. 20cm位の厚みに対してはハンマリングで行っている。

 

Q8〜10.基本的には覆いで対応している。

また、全体を囲う場合もあるが、その時は1ケ所(1面)はオープンしておき、作動可能な状況にしている。(全く露出しているよりは効果的であろうと考えている)

空気取り入れ口等も着氷でふさがれることがあるので、ヒーティングエアを吹き付け閉塞を防止すると共に取り入れ空気を乾燥したものに変換して取り入れる構造としている。

なお、氷の問題についてはDr.L.Makkonenがくわしいので問い合わせるとよい。

 

その他

・フィンランドの海域は冬場は全面結氷するが、その場合は波しぶきが発生しないため着氷はあまり見られないとのことであった。

・ジュルマ氏の研究室には-60℃まで温度を下げられる小型の氷海室があり、そこで本委員会の調査研究の成果を確認することが可能とのことであった。

 

 

 

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