訪問先; Kvaerner Masa-Yards Technology
面談者; Mr. Kimmo Juurmaa
Arctic Research and Development Manager
訪問者; 委員会メンバー(敬称略)
丸山研一(シップ・アンド・オーシャン財団)
仙頭達也(シップ・アンド・オーシャン財団)
吉田光則(北海道立工業試験場)
大橋和朗(日本船舶品質管理協会)
訪問日; 1997年10月29日
会社概要;
今回の訪問先のクバーナ・マサ・ヤード・テクノロジーは、フィンランドにおける造船を基盤とする総合企業体クバーナ・マサ・ヤードグループに所属す会社で、主に船体のデザイン研究、造船及び溶接の技術開発、アフターサービス、北極圏での技術問題の研究等を行っている。
当会社の資本構成はクバーナグループが50%でその他はオイル会社、船会社等が出資している異色の企業であり、日本とは石川島播磨重工業(株)と提携関係にあるとのことであった。特に、北極圏での問題研究のため-18℃の低温水槽や-60℃の低温室を保有し、氷海水面における船体への影響や低温による影響等を専門的に実験する等地域特性を生かした特異な存在である。
尚、クバーナそのものは、ノルウェーに登録されロンドンを拠点とするグローバルビジネスグループで、グループ全体では56,500人の従業員を抱える大企業であり、マサ・ヤードはその一員としてフィンランドを拠点として事業を行っている。(マサ・ヤード・グループ全体では12,000人の従業員がいる)
今回の訪問調査については、事前に送付しておいた質問状を主体にヒアリングした。
調査結果(質問に対する回答);
Q1〜3.船体関係は船級ルールによっているが機器類については特別なルールはない。着氷問題はこの地域においてはごく一般的な問題であり、問題意識はあるものの特に問題にしているわけではない。対象としては、大型船が中心であり、日本のような北洋小型漁船は厳寒期には出漁しないのでトラブルケースはあるものの取り立てた対策をとっているわけではない。むろん解決策があれば望ましいところだ。
Q4〜5.客先要求スペックとしては-50℃が出されている。
(機器類は-50℃までは十分耐えるようになっている)