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Q10. 特に配慮はしていない。

 

Q11. その他

スケトウダラ遠洋底びき網漁業の漁場は、千島列島マッア島沖48゜Nからカムチャッカ半島ペトロパブロフスク沖52゜Nまでの沖合である。釧路から漁場まで1昼夜半ほど航走し、漁場では多い時が1日に5ないし6回、少ない時で2ないし3回投揚網する。1回の操業時間は5〜6時間を要する。1航海期間は24日〜25日程度である。

漁場での着氷は11月から4月までの間で起きる。最も厳しい時期には、シムシル島付近(47゜N)から厚岸沖付近(43゜N)の間でも着氷し、色丹・択捉島付近での着氷が激しい。操業中は、航走中と異なり船体に波しぶきがあまりかからないので着氷が少なく、ブリッジの窓ではガラスが曇る程度である。しかし、航走中は波に突っ込むような船型をしているので着氷しやすい。

風向きとしては、北西風か北々西で着氷しやすいと言われている。

着氷場所は、ブリッジの上が波をかぶりやすいので多く着氷する。ブリッジ前の船首甲板、中マスト(ガントリィ)など砕波のかかるところで着氷する。船首甲板ウインドラスの着氷がひどい。船尾甲板など海水が直接かかる箇所は着氷しにくい。

機器類の着氷状況は、海水のしぶきがかかるNo.2レーダの位置まで着氷する。図 5-3-1において、矢印の位置がNo.2レーダの位置となるが、この高さは喫水線より15mに位置している。この高さより下方で、飛翔した細かな海水がかかるレーダ、アンテナ、いかだ類、ブリッジ付近のデリック、船尾甲板デリックなど露出している個所はすべてに着氷が生じる。

053-1.gif

昨年の冬場の操業(平成8年11月以降)では、除去作業は択捉沖合で3回行った。ベーリング海を漁場とする20隻程度の漁船は、釧路機船漁協に所属しないが、色丹・択捉漁場より着氷条件が厳しくなっている。除去作業は、ブリッジの見張り1人を除いた16名で行う厳しい作業である。

 

 

 

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