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潮の発生が自然によるものと人間の活動の結果によるものの両者を含めた多くの原因を持ち合わせていることを認識するならば、私たちは赤潮に対して何をなすべきであろうか。有効的に、汚染された漁業資源を管理し、公衆衛生を守り、養殖業の発展を奨励かつ支持し、汚染などの沿岸地帯の問題についての政策討議に貢献するには、どのような情報や専門技術が必要であろうか。APEC域内において経済障壁を低め自由貿易を奨励するために、魚貝産品の移動を自由にかつ無制限に行うにはどのような方策が採られる必要があるか。人間の活動が赤潮問題をさらに悪化させているとしたら、政府の役人はどのようにそれを把握することができるだろうか。また今後赤潮の影響によって受ける被害を最小限に押さえるためにはどのような方策が採られるべきであろうか。これらの問題はAPEC加盟国にとって重大な問題である。集中的な調査や監視の必要があることは明らかであるが、これは多くのAPEC加盟国にとって外側からの援助を必要とする。APEC域内における赤潮による被害は大多数に上っており、APEC加盟国が沿岸漁業や生態系への共通の脅威に対して共に取り組めば、技術交換、情報交換、人的資源開発は達成できる。けれども赤潮の問題は APEC域内での協力のみによって解決できるものではなく、赤潮の規模や複雑性といった問題に着手する場合には、多角的な援助団体からの資金援助が必要となる。

 

出典;APEC (Asia Pacific Economic Cooperation) Marine Resource Conservation Working Group (1995) "Final Report of the Red Tide / Toxic Algae Project: 1. Red Tides and Harmful Algal Blooms in the Asia-Pacific Region"

 

 

 

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