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積され、さらに人がこの貝を食べると、中毒を起こすわけです。したがって、2枚貝の餌となるこれら有毒プランクトンの生理・生態を研究することによって、その発生時期や発生量から貝毒の毒化を予測する、または有毒プランクトンの発生環境を改変して、その発生量を軽減させることができるようになればと考えているのですが........。

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Alexandrium属の渦鞭毛藻とは?

広島湾で起きた麻痺性貝毒の原因プランクトンは、A.tamarenseでしたが、本種は温帯域を中心として世界各地に分布しています。では、このA.tamarenseという名前の渦鞭毛藻はいったいどんな生物なんでしょうか。

(1) 形態

A.tamarenseは長さ26〜38μm(1mmの約30分の1くらいの大きさ)の球形でわずかに縦長です(図7-1)。本種を正確に同定するためには、細胞表面を構成する36枚の鎧版(よといばん)の配列と形状を顕微鏡で観察する必要があります。一般に下穀が左右不対称、長い連鎖群体を形成することはまれで、単独あるいは二細胞連鎖として認められることが多いようです。

 

 

 

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