表5-2 内分泌撹乱化学物質に関する今後の研究開発課題
○ ビテロゲン測定方法の確立
・どの生物ではかるのか? (メダカ、マコガレイ、コイ、ニジマス.......)
3つの条件
・性転換しない
・雌雄同体がない
・発生段階が良くわかっている
種の違うものを横並びで実験して絞り込みを行う必要もある
・測定マニュアルの確立、測定法の標準化 など
○ 女性ホルモン様化学物質の作用機構の解明
・受容体の分子構造と化学物質の作用部位の解析
・分子内信号伝達経路の解明 など
○ 生物を利用した実地測定の推進
・多摩川や東京湾などにおける実測の継続
・場所によるビテロゲニン量(バックグラウンド値)データの収集 など
○ 研究基盤整備
・ビテロゲニン抗体など研究資材の整備
・海外研究者との情報交換の促進 など
内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)の危険性を指摘する資料、記事は多い。しかし、内分泌系の撹乱作用の有無を調べる検査方法を確立するのが緊急を要する研究開発課題である。膨大な化学物質が相手であり、しかも異変の直接原因を探るのは難しい。従って、バイオアッセイを行うのが最適であり、ビテロゲニン測定法は内分泌撹乱の実態を評価する唯一の手法となっている。表5-2 のように、ビテロゲニン測定手法の研究開発と、作用機構の分子生物学的解明、ビテロゲニン測定手法によるモニタリングの推進、研究基盤整備の推進を積極的に行っていく必要がある。