(c)共同研究開発
DNVの研究開発成果をより効果的にするために、ノルウェー研究審議会、EU、あるいはその他の海外の機関との共同研究を行っている。また、船主や造船所と共同で、従来とは異なるタイプの船舶やシステムの開発も行っている。
共同研究のタイプとしては、次の5種類があげられる。
・Bilateral Co-operation(個別共同プロジェクト)
・National Co-operation(政府共同プロジェクト)
・Joint Industry(産業共同プロジェクト)
・北欧諸国間共同プロジェクト
・EU共同プロジェクト
(d)戦略的研究開発
DNVの得意分野、専門分野を新規に拡大するための長期的な研究開発を指す。例えば、DNVの作業プロセスの再構築のための、新しい情報・通信技術の適用方法等について研究しており、「NAUTICS」というシステムはその成果の1つである。NAUTICSは、船級プロセスの高品質化、高効率化を図るものであり、30年以上にわたる船体や機械設備のライフサイクルモデルを組み込んでいるのが特徴となっている。欧州のパートナーと組んで、約25億円かけて開発されたが、作業支援ツールとして販売する予定である。
最近、特に注目している分野は次の2つである。
・リスク、及び信頼性に基づく技術開発
・DNVの顧客とのネットワーク化
また、現在取り組んでいる主要な研究開発分野は以下のとおりである。
・構造的な統合と材料性能
・ロスコントロール・マネジメントのための基礎研究
・環境問題への対応を踏まえた将来的なサービス
・知識マネジメント
・構造モデルと流体モデル(火災、ガスシミュレーションを含む)
・情報システムの信頼性と品質
・オペレーションにおける組織的行動と変化のマネジメント
なお、特に短期的研究開発、及び長期的研究開発を、「ルールや標準のメンテナンス・改善」、「新しい製品・サービスの開発」、「キーテクノロジーの開発」という3つのカテゴリーに分けて研究開発プロジェクトを分類したのが表5-2-15である。