(2)VTT 生産技術研究所(VTT-Manufacturing Technology, VTT-MT)
1)VTT-MTの概要
?VTTの概要
フィンランド技術研究センター(Technical Research Center of Finland, VTT)は、フィンランドの産業競争力や社会基盤を改善するための技術を開発し、新しい事業の芽を育てることを目的とした独立研究機関である。
VTT全体としては、事業収入(1996年)は約253億円であり、このうち外部機関・企業からの収入は約163億円(約64%)となっている。残りの36%がVTT自身の予算、すなわち国の予算であるため、事業的に見ると2/3が民間、1/3が国の研究機関といえる。また、従業員数は約2,600人である。
VTTは、次の9つの研究開発領域を持っており、それぞれが研究所の形態をとっている。VTT-MTは、特に素材、機械、輸送、化学プロセス、エネルギーの各分野の製品の競合性と品質の向上を目的として研究開発活動を行っている。
・エレクトロニクス
・情報技術
・オートメーション
・化学
・バイオテクノロジー・食品
・エネルギー
・生産技術(Manufacturing Technology)
・建設
・インフラストラクチャー
?VTT-MTの組織と業績
VTT-MTは、5年前に新設された比較的新しい部門で、6つの研究開発分野を設定している。また、顧客への対応を勘案して、研究開発分野を横通しする形で、5つの事業グループも設定している。組織的にはリジッドなものではなく、プロジェクトごとにチームを作るようなフレキシブルなもののようである。以下はその内容である。
[研究開発分野] [事業グループ]
・安全工学 ・エネルギー産業
・生産工学 ・一般機械・装置産業
・材料技術 ・輸送機械・運輸産業
・材料・構造工学 ・プロセス産業
・海事・機械工学 ・素材産業
・信頼性工学