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(8)韓国

 

1)造船関連産業の特徴

韓国の造船産業に関するデータを表5-1-15に示す。

 

表5-1-15 韓国の造船産業関連データ

[造船関連]

・新造船受注量(1995年):243隻 7,763,000G/T(世界シェア:30.4%)

・新造船竣工量(1995年):121隻 5,342,000G/T(26.2%)

・新造船手持工事量(1996年3月末):303隻 13,185,000G/T(28.0%)

 

(出所:各種資料よりMRI作成)   

 

韓国造船業は、1993年に新造船受注量を大幅に増大した結果、世界シェア37%を実現し、日本の33%を上回って世界一の座についた。その後、またトップの座は日本に譲ったが、1994年以降、その勢いを駆って主要造船会社はVLCCを中心とした大型船建造ドック等の新増設を行った。例えば、現代重工はVLCC用建造ドックを2基、同じく三星重工が1基等が新増設された結果、現在の最大建造能力は900万GTレベルに達したといわれている。

舶用工業も順調に拡大をしており、ディーゼルエンジンをはじめ、国産化率が100%に近い機器も増えつつある。

ただし、特に上記のような、最近になって設備増強した造船所は、巨額な設備投資の高利返済と、低船価受注による採算性の悪化、及び今回の経済危機により、非常に厳しい状況に追い込まれている。

韓国における特徴的な造船関連機関・企業を表5-1-16に示す。

 

表5-1-16 韓国における特徴的な造船関連機関・企業

 

○現代重工業

韓国最大の造船所で、最近建設されたVLCC専用ドック2基を含め、9基のドックを保有する。最新ドックでは、21mまで対応できる最新鋭のNC切断機を導入する等、VLCC連続建造の体制を整えている。また、大・中型ディーゼルエンジン、プロペラ等の舶用機器の生産も行っている。

○三星重工業

最近、VLCC等の大型船建造用ドックを完成させ、中型船クラス用ドック2基に加え、計3基の体制となった。また、6,000馬力以上の大型エンジンの生産を開始している。

○大東造船

もともと釜山の本拠を置いていたが、最近鎮海に移転し、320mのドックを新設した。

○双龍重工業

中型ディーゼルエンジンの有力メーカ。

 

(出所:各種資料よりMRI作成)

 

 

 

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