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(6)フランス

 

1)造船関連産業の特徴

フランスの造船産業に関するデータを表5-1-11に示す。

 

表5-1-11 フランスの造船産業関連データ

[造船関連]

・新造船受注量(1995年):14隻 71,000G/T(世界シェア:0.3%)

・新造船竣工量(1995年):13隻 255,000G/T(1.3%)

・新造船手持工事量(1996年3月末):16隻 438,000G/T(0.9%)

[その他]

・GDP(1995年、10億US$):1,539(6.6%:対OECD加盟国GDP合計比)

 

(出所:各種資料よりMRI作成)   

 

フランスの造船業は、LNG船など特殊船分野で強みを持っており、客船でも日本と競合するケースが増えてきているが、商船分野ではそれほど競争力は高くない。大型造船所はアトランチック造船のみである。

舶用機器では中速ディーゼルエンジンのSEMTが有名である。

なお、艦船の建造はさかんであり、独自技術の開発には定評がある。

フランスにおける特徴的な造船関連機関・企業を表5-1-12に示す。

 

表5-1-12 フランスにおける特徴的な造船関連機関・企業

 

○アトランチック造船

設立は1861年であるが、1989年にイギリスのGECとフランスのアルストームがGEC・アルストーム・グループを設立し、同グループの100%子会社になっている。主な建造船は、フリゲート艦等の艦艇、客船・フェリー、LNG船である。現在従業員は4,000人弱であるが、ここ5年間で1,000人程度の人員削減を行っている。

○SEMTピールスティック

中速4サイクルエンジンのライセンサーであり、日本ではディーゼル・ユナイテッド、NKK、新潟鉄工、川崎重工がライセンシーである。中速・高速エンジンは、艦艇及び商船向け主機関用、陸上発電プラント用、機関車用の3分野を主体としているが、最近は陸発用が主流となっている。

○シュネデールエレクトリック

フランスの大手重電機メーカであるシュネデール・グループの中心企業である。前身はメランジェンで、1994年にグループ企業のテレメカニクと合併し現在の会社となった。主要取扱品は配電盤、サーキットブレーカである。

○BV船級協会

船級業務を行うほか、多様なニーズに応じたソフトウェア、例えば船舶検査記録の管理ソフト等の開発・提供を行っている。

 

(出所:各種資料よりMRI作成)

 

 

 

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