5.諸外国における造船技術に関する研究開発の現状
5-1 諸外国における造船技術の研究開発の概要
本項では、次の8カ国における造船関連産業の概要、及び造船技術の研究開発の現状、研究開発体制等についての概要をとりまとめた。
(1)ノルウェー
(2)フィンランド
(3)スウェーデン
(4)ドイツ
(5)イギリス
(6)フランス
(7)アメリカ
(8)韓国
上記の欧州6ヶ国のうち、ドイツを除く5ヶ国の造船業の規模は、すでにかなり小さくなっており、特殊船、客船、艦船といった分野で特徴的な造船所が残っているだけである。しかし、海運や舶用機器の分野では有力企業が多く存在し、ワールドワイドに活動している。特にノルウェーやフィンランドでは、そのような企業群を中心として、産学官の連携や国際間の連携による共同研究開発が非常にさかんであり、ユニークな研究開発機関も存在する。
一方、ドイツの造船業は、最近厳しい状況に追い込まれているが、研究開発に関しては国の主導のもとで進められており、日本の体制と類似している。
また、アメリカは軍需から民需への移行過程の中で研究開発が進められている点、韓国は日本とほとんど同じ競合分野で研究開発が進められている点で注目される。
以下では、上述したような視点を勘案しつつ、各国の研究開発の概要についてとりまとめるとともに、それぞれの研究開発の特徴から見た3つのタイプの類型化についても、最後に試みている。