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[1]各国の造船技術の研究開発の概要

 

(1)ノルウェー

 

1)造船関連産業の特徴

ノルウェーの造船産業等に関するデータを表5-1-1に示す。

 

表5-1-1 ノルウェーの造船産業関連データ

[造船関連]

・新造船受注量(1995年):57隻 174,000G/T(世界シェア:0.7%)

・新造船竣工量(1995年):26隻 128,000G/T(0.6%)

・新造船手持工事量(1996年3月末):56隻 343,000G/T(0.7%)

・GDP(1995年、10億US$):146

[その他]

・GDP(1995年、10億US$):146(0.6%:対OECD加盟国GDP合計比)

・所有船腹量(1996年4月現在):1,382隻 46,850,000DWT(世界4位)

・輸出収入の15%は海運

・世界第5位の石油生産国

 

(出所:各種資料よりMRI作成)  

 

表に示されているように、造船関連の世界シェアは非常に小さいが、基本的に海運国であるとともに石油産出国であり、次のような特徴がある。

 

・所有船腹はギリシャ、日本、米国に次いで4位

・ガス・ケミカル船、客船・フェリー等、高付加価値の特殊船が多い。

・日本の造船所にとって重要な発注船主国の一つである。

・96年4月現在の発注残は、韓国1位、中国2位、日本3位

・商船のほかに、海底石油開発用リグや浮体式石油生産貯蔵積出施設(FPSO)を所  有・運航する船主が多い。

 

かつて名を馳せた名門造船所の中には消えてしまったものもあるが(モス球型LNG船のライセンサーであったモス・ローゼンブルク、石油掘削リグのアーカー造船等)、クバーナを中心に客船・フェリー、高速船、特殊船・作業船など、技術力を必要とする分野で残っている。特に、超高速旅客船・フェリー分野ではパイオニア的存在である。

また、舶用機器では大手グループがあり、主要生産国といってよい。

早くから(1950年代)、営業・マーケティング、設計、あるいは共同研究開発等で協力体制を取ってきたが、船主協会が主導的役割を果たしている。

ノルウェーだけではないが、経営難に陥った老舗企業や競合メーカのM&Aが多いというのも1つの特徴であろう。

ノルウェーにおける特徴的な造船関連機関・企業を表5-1-2に示す。

 

 

 

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