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?社会的受入環境の整備

ITSが社会に広く受け入れられるために整備すべき点として以下の3点があげられている。

 

○関連制度の整備

例えば、産学官共同研究に関わる知的所有権の帰属問題、情報機器と利用者の責任のあり方を踏まえた製造物責任への対応、個人のプライバシーや企業情報の保護、電子決済等に関するセキュリティの確保等である。

 

○広報の促進

例えば、ITS推進の目的、内容、効果等について、シンポジウム等の場や、パンフレット、年次レポート、電子情報等の各種メディアを活用し、積極的にPRする。また、試験運用時の利用者参加、各種の公開実験等により利用者に実感してもらう。

 

○人材育成

幅広い分野にまたがった学際的な研究開発が必要になるので、さまざまな情報提供を行うとともに、関係者のネットワーク作り、研究交流の場作り、実務担当者への講習会等の開催等により、ITSの専門家の育成を図る。

 

?実用化に向けたインフラ整備

ITSは、道路交通に関連する情報をネットワーク化することによって成立するものである。したがって、情報の収集・提供・通信・処理等を行うさまざまな情報関連インフラの高度化や整備が必要である。

 

?国際協力・協調

ITSは、世界各国で取り組みが行われているプロジェクトであり、より良いシステム作りのためには、研究開発段階から日常的な情報交換をはじめ、国際会議や二国間レベルにおいて積極的な研究開発動向等の情報交換を行うとともに、国際的な調和を念頭に実用化を目指す必要がある。国際協力・協調に関しては、以下の3点が課題としてあげられている。

 

○欧米との協力・協調へ向けた取り組み

世界的な規模でITSの研究開発を効率的に推進していくにあたり、わが国が保有する先進的な技術の提供を図る等、国際的な貢献を積極的に行うとともに、欧米等の先進的な取り組みに関する技術・情報を取り入れるため、欧米各国との情報交換や人的交流を図っていくことが必要である。

 

○アジア・太平洋地域にふさわしいITS実現への取り組み

わが国におけるITSの開発は、アジア・太平洋諸国のITSのモデルケースとなりうるものであり、アジア・太平洋地域の一員として積極的に技術交流、人的交流を行い、アジア・太平洋地域にふさわしいITSの実現を支援する必要がある。

 

○ITSに関わる国際標準化への取り組み

ISO/TC204、及びITU-Rでは、TICS(Transport Information and Control Systems)の名称のもとでITSに関わる標準化について取り組んでいる。わが国においても、ITSの効率的かつ着実な推進を図るため、国内のITS関連産業における開発動向を反映させつつ、

 

 

 

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