技術開発を行っている。
全般的に需要のほとんどを防衛庁関連が占めるわが国の主要航空機メーカやエンジンメーカは、依然として国を基盤においた技術開発を行っている(特に、中・大型民間旅客機と防衛庁向けの航空機)。しかし、システム・機器、部品メーカは独自に技術開発を展開しており、その技術力は近年、国際的にも高く評価されている。
3)国際共同開発の事例と今後の方向
ここでは国際共同開発の事例についていくつか紹介するとともに、今後の航空機産業における連携の方向について述べる。
?国際共同開発の事例
○ボーイング777
ボーイングが開発した最新鋭の双発大型ジェット旅客機で、300〜400人程度の乗客を乗せて、約7,000〜1万3,400kmの航続距離能力を持つ。
コンピュータを使用した高度な自動化と、双方向デジタル・データバス、デジタル方式のフライ・バイ・ワイヤ操縦装置、液晶ディスプレイを使った操縦席等、最新技術を駆使したハイテク旅客機である。
1990年10月に機体計画が正式にスタートし、94年6月に初号機が初飛行、95年6月にユナイテッド航空により初就航した。日本のメーカは、開発・設計段階からプログラムに参画しており、三菱重工業、川崎重工業、富士重工業がリスクシェアリングするプログラム・パートナーとして、機体構造の約20%の製造作業を受け持っている。
基本型の777-200のほか、胴体を延長する777-300(380〜550席)があり、また両タイプともに総重量を増加して、航続距離を延ばすタイプもある。また、胴体を短縮して3クラス配置で260席級とし、航続距離を約1万5,900km級にする777-100Xも計画されている。
○高速民間輸送機(High Speed Civil Transport:HSCT)
英仏共同開発のコンコルドの後継となる、次世代の超音速旅客機。アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、日本等による国際協力の形で研究が進められている。
HSCTの基本仕様は巡航速度マッハ2.4、乗客数250〜300、航続距離9,400〜1万1,300km、離陸総重量約320tとなっている。実現に必要な新技術としては、低排ガス・エンジン燃焼室、エンジン騒音抑制、可変サイクル・エンジン、軽量複合材料製構造、耐高温素材、低速度高揚力装置、等があげられている。
これまでの研究では、通常の旅客機並の運用コストが可能とされているが、環境への適応性等で解決しなければならない問題が残されている。また、使用する航空会社側でも高速性を活かした運航スケジュールを立てられるかどうかという課題も指摘されている。
○エイジアン・エクスプレス(AE31X)
ヨーロッパと中国、シンガポールが共同開発する、新100席級ジェット旅客機計画。ヨーロッパからは、エアバス・インダストリーが62%、イタリアのアレニアが38%を出資して、エアバス・インダストリー・エイジアを設立して計画に参画する。
計画へのエアバス・インダストリー・エイジアも出資比率は39%で、ほかに中国航空工業総公司が46%、シンガポール・テクノロジーズが15%の比率で出資する。現在は、AE31Xの計画名称で呼ばれている。
エアバス・インダストリーは、AE31Xに対して95〜105席のAE316、115〜125席のAE317