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?高温超電導材料の研究及び同材料を利用した磁気浮上システムの鉄道への適用可能性に関する基礎的研究

?物流システム形成のための設計と評価手法に関する基礎的研究

?人間・社会システム・技術を統合した安全交通システム設計法とその評価方法の研究

?鉄道における車輪・レール系の知能化に関する基礎的研究

?交通機関におけるヒューマンエラーの防止技術確立のための基礎研究

?輸送機器への新技術の導入と新交通体系での運用による環境保全に関する研究

?高度利用されている内湾域水面における渦流動に関する基礎的研究

?大都市部地下インフラストラクチャー整備のための動力学に基づくシールド機挙動の理論的・実証的解明

?コンテナターミナルにおけるコンテナ搬送システムの高度化に関する基礎的研究

?運輸基盤施設の耐震性高度化のための免震・制震技術に関する基礎的研究

 

これらの採択課題の研究は、国からの出資金(平成9年度:3億円)により、3ヶ年にわたって実施される予定である。

 

(3)テクノスーパーライナーの研究開発概要

テクノスーパーライナー(TSL)は、表4-1-1に示すような計画のもとに進められ、ほぼ計画どおりの成果を修めた。以下に、TSLの研究開発経緯等について、その概要を述べる。

 

1)組合設立当時の経緯

?時代背景

TSLの研究開発が開始された平成元年頃は日本の造船業は不景気のどん底にあり、特に韓国に厳しく追い上げされていた時代であった。このような状況下で、引き続き21世紀にも日本が世界のリーダとしての地位を確保していくためには、何か画期的な技術開発を行う必要があるという認識のもと、50ノット・1,000トンという従来の船の2倍以上も速い大型超高速船の開発は、夢多い仕事として造船界の多くの関係者の受け入れるところとなった。

 

?研究開発資金

国、日本財団、及び造船大手7社がそれぞれ1/3ずつ負担し、技術研究組合方式で事業が進められることとなった。

このほかに運営経費が全額7社の負担とされた。

 

?TSLのコンセプト策定経緯

1,000トンの積載重量で50ノットという高速を達成するには、まずどのような船型コンセプトを採用するかが重要な課題となるが、組合発足時にはすでに2種類の船型コンセプトで行くことが決められていた。すなわち、1つはハイドロフォイルを利用したタイプで、もう1つはエアークッションを利用したタイプである。いずれも何割かは同時に浮力も利用するので、いわゆるハイブリッド船型といわれるものである。

これらは、具体的なニーズがあって研究開発が始められたものではなく、いわばシーズ

 

 

 

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