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輸送の高度化への期待が増加した。

このような状況のもとで、従来の船舶の2倍以上の速力で大量の貨物を輸送できる新形式超高速船TSLの研究開発が、平成元年度から7年度までの7年間にわたって実施された。

本研究開発で建造されたTSL「飛翔」は、実用化第1船(静岡県清水市所有、船名「希望」)として、静岡県の下田〜清水間の航路で活躍している。

 

?高信頼度舶用プラント(Advanced Diesel Engine Development:ADD)の研究開発

(平成元年度〜5年度)[(株)エイ・ディー・ディー]

昭和57年度の運輸技術審議会で、「船舶の知能化・高信頼度化技術の研究開発」が重要課題の1つとして採り上げられたことを受けて、舶用推進プラントも信頼性の飛躍的高度化等を図ることを目的として「高信頼度舶用推進プラントの研究開発」が、昭和58年度から63年度まで技術研究組合を設立し実施された。

その後、本組合の研究開発成果は、平成元年に設立された(株)エイ・ディー・ディーに継承され、5年間の研究開発が行われ、次世代エンジン(ADD30V)の開発・普及に貢献している。

 

?新形式舶用電気推進システム(燃料電池推進船)の試験研究

(平成6年度〜8年度)[(社)日本造船研究協会]

クリーンで高効率な固体高分子型燃料電池(PEFC)を船舶の推進システムとして利用するための研究開発が平成6年度から8年度までの3年間実施された。

 

?超大型浮体式海洋構造物の研究開発

(平成7年度〜)[メガフロート技術研究組合]

 

?環境低負荷型舶用推進プラント(Super Marine Gas Turbine:SMGT)の研究開発

(平成9年度〜)[スーパーマリンガスタービン技術研究組合]

 

(2)公募型基礎的研究推進制度

本制度は、画期的な技術革新をもたらす可能性を有する新たな発想に立った新技術を創出するための独創性、革新性のある基礎的研究を推進する制度であり、平成9年10月の運輸施設整備事業団の設立とともに開始された。

本制度の目的は、基礎的研究を通じて、陸上、海上及び航空運送の円滑化に資する技術の著しい向上を図り、これらの運送の利用者の利便の増進、運送の安全の確保等に寄与する新たな技術の確立を図ることである。

平成9年度は、

 

○輸送システムの高度化に関する技術分野

○運輸分野における安全性の向上に関する技術分野

○運輸分野における環境技術分野

○交通インフラ整備に関する技術分野

 

の4研究分野を募集対象として、大学、国公立研究機関、民間研究機関等から広く公募したところ、全国から132件の応募があり、外部専門家から成る基礎的研究審査委員会の審査を経て以下の10課題が採択された。

 

 

 

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