・取締役会で申請予算を審査、決定する。
・社長が決定する。
4)研究開発成果の評価方法
アンケートから抽出された主な研究開発成果の評価方法は以下のとおりである。
学会、雑誌に投稿して世間の評価を待つのは大学のケースである。企業の場合は各部門のトップもしくは経営者が評価するケースが多いようである。また、船主のような顧客をまじえて評価するケースもいくつか見られた。
・学会、雑誌に公表する。
・各部門のトップもしくはそれらが構成する専門組織が評価する。
・設計部門のトップが評価する。
・設計担当者や船主により、機能や経済効果を確認して評価する。
・所内評価制度により外部評価者を入れて評価する。
・評価専門組織が独自の評価尺度を用いて評価する。
・役員会が評価する。
・社長が評価する。
5)知的財産の管理方法
アンケートから抽出された主な知的所有権の管理方法は以下のとおりである。
管理していない、もしくは個人が管理しているのは大学のケースである。企業では、専門の特許管理部門、あるいは委員会のような専門組織を設置しているところがかなり見られたが、それ以外では設計部門や総務部で管理しているケースが多いようである。
・特別な管理はしていない。
・個人が管理している。
・専属の知的財産管理担当員が一括管理している。
・全社的に一括管理している部門で管理している。
・各部門のパテントマネージャ等から成る特許委員会で管理している。
・総務部が管理している。
・設計部門が管理している。
・設計部門と営業部門で管理している。
(5)顧客ニーズの位置づけ
図3-8は、技術開発における顧客ニーズの位置づけを示したものである。国立研究所や大学の研究開発者は、基礎的な研究が多いために顧客ニーズを意識していないケースが多いようである。一方企業の研究開発者は、「船主からの要求に応える」の比率が高く、ニーズを先取りするよりもまず顧客ニーズに直接対応することを優先する姿勢が見られる。
また、ニーズの先取りに関しては、船主よりも荷主や乗客のニーズを重視する傾向にある。