3. ロイドのSTEPプロジェクト
3.1 背景・目的
造船業の競争が激化し、産業全体の効率化が求められている。多くの企業がアプリケーションプログラムの互換性やデータ連携を行うデータ交換の必要性が高まってきた。
ロイドの船級協会は、多くの異なった造船業グループと日頃から係わりがあり、造船業のとりまとめ役としては良いポジションにいる。このためロイドは、STEP(ISO10303)を用いて「SHIP PRODUCT DATA EXCHANGE FOR CLASSIFICATION」プロジェクトを開始した。
3.2 プロジェクト概要
(1) 造船STEPのアプリケーションプロトコルの開発
以下における業務連携、設計開発データ交換のプロトコルを設定する。
-シップ・アレンジメント
-船殻建造
-パイプ
-船体構造
-造船における機器システム
(2) パイロットプラン(船体とヤード間におけるデータ交換)
EXPRESSを活用しShip Rightソフトを相互互換させるシップ・プロダクト・モデルを開発している
3.3 今後の方向性
船級協会では、他の許認可機関とのコミュニケーションをできるだけ定型化し、二重作業を減らすことを目指している。建造データのデータ変換を行うようにし、書面の転記作業を減らそうとしている。
また、船級協会は、造船業全体における情報交換の合理化を目指している。造船業における"建造データモデルの管理人"として新しい役割を担おうとしている。
STEPは、一つの技術であり今後よりよい技術が出てくる可能性がある。ただし、現時点では造船情報戦略を検討するフレームワーク(基本的な枠組み)として評価できる。