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第1フェーズは個別企業の情報化による経営・業務基盤強化と造船・舶用工業界に情報ネットワークを形成し、ポテンシャルを高めていくフェーズで、?造船・舶用工業間、造船・資材メーカー間での資機材の受発注EDI、?造船・舶用工業間での設計・技術情報の交換の実現や、?造船所間での同時進行型設計・生産基盤の確立等の着実な前進等を目指すものであり、第2フェーズへ向けた産業情報技術開発、情報ネットワーク形成のフェーズである。

このフェーズを推進するための課題は、造船・舶用工業間、造船・資材メーカー間での取引・技術情報の交換については、業界標準的な情報の表現規約、取引規約、運用規約等の確立である。造船所間での同時進行型設計・生産は、短期には技術的、産業組織的にも決して簡単な技術開発ではないが、高度造船CIMプロジェクト等で鋭意開発が進められてきており、次フェーズの基盤形成のためにも継続的な開発が不可欠である。

第2フェーズは、VEやライフサイクル・サポート等に着目した産業の再編等による魅力ある次世代造船関連産業の構築・実現であり、?造船・舶用工業間での協調設計、設計プロセスの統合、?造船CIMと舶用工業の設計・生産システム間連携による協調設計・生産、?保守ネットワークの形成、?建造・運航情報の統合によるトータル・ライフサイクル・サポート等の取り組み、実現が含まれる。このような取り組みについては、海運、検査を含む造船関連産業の相互の協力が不可欠である。

 

(2) 高度情報化を進める際の短期フレームワーク

本項では、造船・舶用工業の高度情報化を進める際の短期フレームワークとして、造船・舶用工業の企業等が連携したコンピューター・システムの利用形態、その実施方法、実施に当たって配慮すべき事項を提案する。

 

1) 造船・舶用工業の企業等が連携して行うコンピューター利用の形態

造船・舶用工業の企業等が連携したコンピューター・システムの利用形態を、?企業間オンライン方式のデータ交換システム、?業界共同データベースシステム、?業界共通のフレームワーク、アプリケーション等の観点から提案する。

?企業間オンライン方式のデータ交換システム

企業間オンライン方式のデータ交換システムとは、特定の企業間をオンライン接続して電子データの交換を行う形態を指す。

造船・舶用工業において、企業間をオンライン接続して電子データの交換を行う形態として次が考えられる。

・資材調達先との受発注等の取引情報の交換

・造船所、舶用機器メーカー間での技術情報の交換

・設計業務における造船所間、及び造船所・舶用機器メーカー間の協業等、造船CIM等のプロダクト情報の交換

 

 

 

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