?複数企業間で連携して設計業務を実施し、建造部分は各社が独力で担当する設計協調(EC:Engineering Cooperative)
?設計業務は各社がそれぞれ実施し、建造業務については複数企業間で連携して(これら連携する企業間での)船種・船型毎の最適建造を実現する建造協調(PC:Production Cooperative)
3) 舶用工業事業者に於いて、各社単位で限られた経営資源、商品ラインアップの中で効率的な機器の設計・製造を可能とする企業連携を実現する。
?異なる機器を設計・製造する複数の事業者が連携して効率的に機器のシステム化を行うシステム化協業
?同種の機器を製造する事業者が連携し、その中でも各々得意とする機器に集中する、或いは機器のモジュール化・標準化で連携する相互補完型協業
4) 基本的には現在の企業経営形態を維持しつつ企業内・企業間業務の効率化を進め、併せて間接業務等を電子技術を用いて効率的に専門会社へ外部委託し、限られた経営資源の戦略的分野への投入を容易とするアウトソーシング型情報化
5) 情報共有技術の進展により可能となる、ライフサイクル・サポートを始めとする、従来の業態・業種の枠にとらわれない新しい企業形態の実現
6) 大型の研究開発課題の実施に当たっては関連する企業間の共同研究が今後益々重要となるが、情報通信技術を用いて研究開発情報の相互共有を可能とし、これらの研究の効率的な実施を可能とするバーチャル・ラボ
造船・舶用工業の高度情報化は、各社がこれらの方向性を目指すことが可能となるよう、必要なツールの開発、情報交換手段の標準化、情報基盤の整備等の環境整備を、中長期的に着実且つタイムリーに進める必要がある。
以上に述べたような、情報共有と企業間連携を主とした造船・舶用工業の今後あり得べき姿をグランドデザインとして提案したい。なお、そのイメージを図表II.6.4-1に示す。