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などの高度な船舶設備、情報技術活用の需要が高まる可能性がある。これらは、海運業のローコスト化と安全の向上を追求する新経営概念を船舶に取り込む試みであり、造船・舶用工業から見ると、新造船の営業における差別化ポイントと例えば補修用パーツのサプライ体制など既存の販売体系の見直しの必要性を生む。顧客ニーズに積極的に対応することにより、事業を拡張することが期待できる。

第二は、社会的な環境変化である。安全・環境問題に対する技術的解決等の提案や、物流のモーダルシフトを促進させるための技術的貢献、さらに浮体等を活用した社会資本整備の低コスト化が期待されている。また、行財政改革や規制緩和が進むことにより、今後、個別産業政策への行政関与のあり方が変化することが予想される。

このような社会的要請の高まりは、新たな需要を創造する機会でもある。船社ニーズを先取りした積極的な提案や、社会的要請を技術的に解決することは新しい事業機会と捉えることができる。このような積極的な取り組みは、今後更に重要と考えられる。

 

(2) 事業環境変化に基づく今後の課題

2000年以降に予想される需要の下降や競争激化を乗り切り、国際造船・舶用機器市場に於てシェアを維持していくためには、コスト削減や納期の短縮などの生産性向上により競争力を維持・発展させることが重要になる。これらは、造船・舶用工業各社において従来から最も重視され、かつ努力されてきたものであり、今後ともさらなる努力が望まれる。

但し、今後予測される事業環境変化の大きさを考えた場合、これまでの延長線上の競争力強化では、韓国等の競争力の向上に対して遅れを取ることが懸念される。さらに、船社ニーズの変化や安全・環境面の強化やモーダルシフト、メガフロート等の新規需要等船舶を取り巻く社会的な要請への対応を図ることが事業機会としても重要であり、造船・舶用工業の発展に寄与するものである。

勿論、従来から造船業及び舶用工業は、技術開発を中心に様々な共同作業を進めており、これは今までの産業の発展に大いに寄与している。ただし、今後の事業環境変化を考慮すると、従来からの共同作業を超える新しい試みが必要になると思われる。

また、さらなる生産性の向上と顧客や社会的要請に積極的に対応していくためには、産業全般の経営基盤の強化と研究開発の強化が不可欠となる。

 

 

 

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