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このように、ヨーロッパ造船産業を取り巻く経営環境は大変厳しいものがある。これを乗りきるためには、設計・製造を始めとする全てのプロセス、及びサプライヤなども巻き込んだ生産性向上が求められている。

EUは、このような経営環境において、ヨーロッパ造船産業の生産性向上のための一方策としてMARISを位置付けている。

 

2) MARISの概要

MARISは、全世界規模の海運・造船関連産業を対象とした情報化プロジェクトである。既存のシステムを共同利用したり、あるいは国際協力により世界共通の基盤を開発することにより、海運・造船関連の幅広い分野における情報通信技術の潜在価値を明らかにすることを目的とするプロジェクトである。

MARISは11あるG-7パイロットプロジェクトの1つであり、EC(Europian Commission)とカナダが主務国を務める。MARISは多数のプロジェクトの集合体であり、主にEU、ESPRIT、カナダ、ドイツ、米国などが参加している。とくに欧州(EU、ESPRIT)はMARISの活動において主導的な役割を果たしている。

MARISはSAFEMAR、MARTRANS、MARSOURCE、MARVELという4つのサブ・プロジェクトで構成する(図表I.3.3-1)。各サブ・プロジェクトの概要は図表I.3.3-2のとおりである。なお、詳細は付属資料A1.の「4.MARIS」を参照されたい。

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