2) 実装技術
?CORBA(Common Object Request Broker)
CORBAはオブジェクト指向によるクライアント・サーバー環境におけるアプリケーションを開発するために必要なオブジェクト連携機構の仕様である。
サーバーとクライアントの各プログラムのインターフェイスはIDL(Interface Definition Language)と呼ばれる宣言型の記述言語で記述される。これがC++やJava等の言語に変換され、実装はそれらの言語のどれで行っても良い。サーバーがCでクライアントがJava、といった開発も可能である。
CORBAを規定しているOMG(Object Management Group)は700社以上の会社により構成されるコンソーシアムである。現バージョンの2.1では、CORBAベンダ同士の相互運用性を重視し、それらを統合する通信プロトコル(IIOP)とオブジェクト参照表現(IOR)を制定している。
?DCOM(Distributed Component Object Model)/ActiveX
DCOMは、CORBAに対抗するようなオブジェクト・ブローカーとしてMicrosoftが提示した技術であり、複合ドキュメントのマルチメディアデータを扱うOLE(Object Linking&Embedding)から発展した技術である。OLEからDCOMまでの経緯を図表I.1.3-1に示す。