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4.4 升目背面部分へのアクセス方法の検討と設計

多関節型溶接ロボットを利用する場合のもうひとつの問題点が、ロボット背面部分の溶接である。通常溶接ロボットの旋回軸(第1軸)の動作範囲は±170°程度が限界であり、ロボットの背面部分は動作範囲からはずれることになる。これは、ロボットの配線ケーブルの取りまわし方法に起因するものであると思われる。一方、升目構造の溶接線は360°全方向にあることより、背面部分を溶接可能とならしめる旋回補助軸が必要となる。

そこで、図4.11に示すように、ロボットとR軸の取付部分に旋回機構(P軸)を設ける方式を考案した。この方式により、ロボットを前方のみならず、後方にも移動させることができ、なおかつ、旋回機構により、背面の溶接箇所も動作範囲とすることができる。

4.5 べ一スとなる市販溶接ロボットの選択

上記、種々の検討結果より、溶接ロボットは天吊姿勢での使用が可能な汎用型のロボットとし、できる限り動作に自由度のあるものとする。さらに、溶接方式、開先倣い方式の選定結果より、高速回転アーク溶接が可能なロボットとする。この選択条件範囲では、松下産機、神戸製鋼、川崎重工の3社の溶接ロボットが適用可能である。

今回は、松下産機の溶接ロボットを使用することとした。

 

 

 

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