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4.2 狭隘部への溶接ロボットの選定と設計

狭隘部を有する大型複雑形状ワークに対してのロボットアクセスを考えた場合、スリム、コンパクト、なおかつロングリーチのロボットメカが理想的である。ただし、市販の溶接ロボットを前提とした場合、小型多関節ロボットと汎用多関節ロボットの2種類を比較検討することになる。具体的な狭隘部としては、トランスの傾斜によるオーバーハング部分と、升目のロンジスペースの部分をアクセス上の課題として検討する。図4.4に検討の対象となるワーク仕様を示した。本仕様は、17万トンバルクキャリアの全後部ブロックの形状特性を参照して決定したものであり、対象船種やサイズが異なれば以下の検討内容の見直しが必要となる。

 

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(1) トランスの傾斜に対する検討

曲外板ブロックを天吊型ロボットで溶接する場合に、アクセス上の大きな課題となるのがトランス倒れ(オーバーハング)である。第一段階で調査の対象としたSY21X,SL21Yのブロックを中心に、17万トンクラスのバルクキャリアの曲外板ブロックをオフセット定盤上に配置した場合のトランスの鉛直面面からの倒れ角度の一例を図4.5に示す。全体的な分布からみて、第1報告で示したように20°前後のトランス倒れに対応できることを目標にロボット形状の選定を実施することとした。

 

 

 

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