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とられている。オフラインプログラミングの方式にも段階があるが、各升目の形状が異なる曲外板ブロックでは、高度なプログラミング手法が要求されることになる。コスト面では、多関節ロボットとオフラインブログラミングソフトが必要なことよりコストアップは否めない。

 

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レベル?は、多関節ロボットを天吊状態で吊り下げた形式の大型ガントリーロボットを利用するものである。この方式のメリットはXYZ方向3軸のNCマニプレータにより自在な位置にロボットを位置決できる点にあり、ロンジ方向の溶接もロボットとマニプレータを協調動作させることで課題を解決している。また、本来3次元ブロックは上部からのアクセスが開口部も広く、狭隘部にも溶接卜一チをアクセス可能なことより適用範囲が最も広い。オペレータの介入に関しても、NCガントリーロボットであることより、アーク切れ等の一次停止要因がなければ、制御的には連続無人運転が可能である。オフラインプログラムソフトはレベル?が升目内へのロボットの移動をオペレータ操作によっているのに対して、NCマニプレータにより自動的にロボットを位置決するため、ブロック全体に対するプログラムの作成が必要となり大規模なシステムとならざるを得ない。

機能的に最高レベルにあるがコスト的にも同等であると言える。

以上、自動化のレベルに応じてそれぞれのメリット、デメリットを比較検討したが、レベル?の発展型である可搬型の溶接ロボットをマニプレータにより移動位置決めし、溶接させる方式(以下自走式システムと呼ぶ)と、レベル?の大規模ガントリー構造のマニプレータの先端にロボットを取付け、一体型で協調動作させる方式(以下天吊りシステム)の2種類に関して、それぞれのイメージスケッチを図4.2、図4.3に、さらに詳細に比較検討した結果を表4.1に示す。ロボット機構的には、天吊システムの方が課題が少ないが、CAD/CAMシステム規模が大きくなることは天吊システムの課題である。結論として、より省人化効果の期待できる天吊システムとすることを決定した。

 

 

 

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