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4.  ロボット溶接制御方式の選定と設計

 

4.1 溶接装置の形式、アクセスの最適方法の選定と設計

3次元曲外板ブロックのような狭隘複雑かつ大型ブロックを対象とした場合に、溶接ロボットをいかに溶接対象箇所にハンドリングするかが課題となる。図4.1は、ロンジとトランスからなる升目構造をした溶接区画の溶接自動化をそのレベルで分類したものである。分類レベルとして考えられる項目は、溶接メカのサイズ、適用範囲の程度、オペレータ介入の程度、オフラインプログラムソフト開発の程度、経済性の程度である。

レベル?は、グラビティ溶接あるいは簡易自動溶接機を利用するもので、軽量コンパクトで簡単に持ち運びが可能であるが、用途が傾斜隅肉あるいは立向隅肉と単一用途に限定される、さらには、傾斜角度など適用範囲が制限される可能性が高く、また、溶接線単位にオペレータが溶接機をセットしなければならず、ハンドリングの回数が多い。とりわけ、曲外板ブロックのように高さのある隔壁部材で区画されており、かつ狭隘区画があるのよなブロックの場合には、一人の溶接オペレータが、複数台の溶接機をハンドリングするようなことは困難となってくる。しかし、オフラインプログラムソフト開発の必要はなく、低コストで自動化が実現可能である。

レベル?は、専用の自動升目溶接機を利用するものである。溶接作業者が持ち運べる重量(約20キロ)を越えるため、クレーンあるいは専用マニプレータにより溶接機をハンドリングする必要性もでてくる。ダブルハル構造の平行部ブロックの水平隅肉溶接用に升目自動溶接機が開発されているが、現状の溶接機の機能では、ロンジとトランスとの交差角度が直交していない場合にコーナー部分で溶接残しが発生するとか、走行台車がスリップしないような傾斜角度への対応が必要なことから適用範囲が限定されるなど検討課題が多い。オペレータの介入度に関しては、升目内で初期位置決めさえすれば、後は自動で升目の周囲の傾斜隅内部分を連続的に溶接するので、ハンドリングの回数が大幅に減少する。また、溶接機自体のセンサー機能により溶接線倣い、コーナー位置検出を行えるので、オフラインプログラムソフト開発の必要はなく、比較的低コストでの自動化が実現可能である。

レベル?は、レベル?の自動化を一歩進めたものであり、可搬型のポータブル多関節ロボットを利用するものである。多関節ロボットを利用することにより適用範囲が拡大されている。この場合、ロンジとトランスとの交差角度がある程度狭角であったとしてもコーナー部分で溶接残しが減少する。ただし、ロンジ方向の溶接のためには、自走型のロボットが必要となり、走行台車がスリップしないような傾斜角度への対応は課題として残る。対象となる溶接継手は、トランス、カラープレート部分の立向隅肉とロンジ部分を主とした傾斜隅肉継手である。オペレータの介入度は基本的にはレベル?と同程度である。多関節ロボットであることより、何らかのティーチングが必要となるが、ロボットー台ごとにティーチングする事は、実用的ではないため、一般的にオフラインプログラミング方式が

 

 

 

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